国民、れいわ、共産... 「消費減税」新型コロナで野党言及

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   新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が小中高などに2020年3月2日から春休みまでの休校を要請した。これで経済活動が停滞するのは必至で、その対応策が喫緊の課題だ。

   政府は対策費として153億円を計上。これに加えて、安倍晋三首相は2月29日の記者会見で、緊急対策の第2弾をとりまとめることを表明している。だが、野党からはこの規模では「小粒」だとする指摘や、消費税率の引き下げを求める声が出始めている。

  • 野党から消費減税を求める声が強くなってきた
    野党から消費減税を求める声が強くなってきた
  • 野党から消費減税を求める声が強くなってきた

野党の予算組み替え動議は否決

   政府が準備を進める第2弾の経済対策の財源は、2700億円ある「19年度予算」の予備費で、年度をまたいだ20年度の対策費の確保が課題だ。そこで野党統一会派と共産党は2月28日、20年度予算のうち、マイナンバーポイント還元事業(2478億円)とカジノ管理委員会運営費(38億円)の支出をやめて、その分を新型コロナ対策に回す動議を提出したが、与党や日本維新の会の反対多数で否決されている。

   立憲民主党は、安倍氏の会見を受け、

「本当に混乱する経済への対策として、このような額で十分であると考えているのか、疑問を抱かざるを得ない。経済的影響を最小限に食い止めるためにも、大規模な財政措置を至急講ずることを求める」

などとする逢坂誠二政調会長名での談話を発表。逢坂氏は自らのツイッターでも、3月1日に

「各国新型肺炎対策経費は、米国2700億円、シンガポール5000億円、台湾2200億円などだが、日本153億円と極めて小粒。東京都の補正401億円よりも少ない」

などと書き込み、野党側の予算組み替え動議が否決されたことについて「政府の予算確保の手立てが見えない」と訴えた。

国民・玉木氏「所得税減税よりも消費税減税の方がより効果的」

   国民民主党の玉木雄一郎代表は、補正予算の編成や、所得税や消費税の減税を主張。3月1日のツイートでは、所得減税よりも消費減税の方が効果的だとの考えを示した。。

「1999年小渕内閣では9兆円超の所得税減税を行なった。ただ2000年に53%だった60歳未満の勤労者世帯数は、高齢化で2017年には40%へと大きく減少。よって消費刺激策としては所得税減税よりも勤労所得のない人や低所得者も潤う消費税減税の方がより効果的と考える。緊急経済対策は消費税減税も検討すべき」

   共産党の小池晃書記局長は、3月1日の「日曜討論」(NHK)で、「財源を伴う、具体的な医療の体制、検査の体制、休業補償...、きちんとした裏付けをもった政策を説明することが政府の責任」などと主張。消費税についても

「そもそも消費税増税がこの大不況の引き金をひいたわけだから、やはり緊急に5%に減税するということをやるべき」

と述べた。

れいわ・山本太郎代表「10兆円ぐらいの補正予算を」

   れいわ新選組は、2月17日に

「速やかな消費減税と第2次補正予算など財政出動」

が必要だとする申し入れを行ったのに続いて、2月26日に行った政府への申し入れでは

「多数の人が集まるサービス業全てに対し、1か月の休業を求め、売上を補償するのであれば、当面3.5兆円の補填が必要」

と推定。山本太郎代表は2月27日に動画配信で

「(サービス業以外の)他(の業種)も含めれば10兆円ぐらいの補正予算を組む必要がある」

と説明している。

   政党以外に消費減税を主張しているのが、「反緊縮」を主張する市民グループ「薔薇(ばら)マークキャンペーン」。キャンペーンが掲げる6つの認定基準のうち3つ以上を自分の政策として掲げれば「薔薇マーク」候補に認定される仕組みで、19年の参院選では共産党や「れいわ新選組」、立憲民主党の「認定」候補者10人が当選した。同キャンペーンでは、

「政府による休業補償の必要額は、私たちの試算では、2ヶ月で6.2兆円、1ヶ月で3.1兆円です。現状の政府の言う『予備費の2700億円』は全く足りません。全額、国債で対応すべきです」

などと主張。これに加えて、消費税を5%に減税すべきだとも訴えた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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