安倍首相が新型コロナで会見 休校「断腸の思い」、説明不足は「そのとおり」

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   新型コロナウイルスの感染拡大で政府が全国の小中高校などに対して休校を「要請」したことを受け、安倍晋三首相が2020年2月29日夕方に記者会見を開いた。要請は「断腸の思い」で、「万が一にも学校において子どもたちへの集団感染のような事態を起こしてはならない」などと理解を求めた。

   休校の要請は2月27日に行われたが、前日26日に出された政府の「基本方針」には持ち込まれておらず、意志決定が唐突で根拠不明だとの声が相次いでいた。安倍氏は説明不足について「確かにそのとおり」だとする一方で、「専門家の皆様も、あと1~2週間という判断をされた。言わば、判断に時間をかけている手間はなかった」などと釈明した。

  • 新型コロナウイルスの感染拡大を受け記者会見する安倍晋三首相
    新型コロナウイルスの感染拡大を受け記者会見する安倍晋三首相
  • 新型コロナウイルスの感染拡大を受け記者会見する安倍晋三首相

「ご負担をおかけする」を繰り返す

 

   安倍氏は冒頭発言で、「要請」にともなう国民への影響について、

「子どもたちにとって3月は学年の最後。進学前の大切な時期だ。学年をともに過ごした思い出をつくるこの時期に、学校を休みにするこの措置を講じるのは断腸の思いだ。学校が休みとなることで、親御さんにはご負担をおかけする。とりわけ小さなお子さんをお持ちのご家庭には、本当に大変なご負担をおかけすることになる」

などと説明。その上で、休校の必要性について、

「それでもなお、何よりも子どもたちの健康・安全を第一に、多くの子どもたちや教職員が日常的に長時間集まる。そうした同じ空間をともにすることによる感染リスクに備えなければならない」

と話した。

   休業にともなう所得の減少には「新しい助成金制度を創設することで、正規・非正規を問わず、しっかりと手当てしていく」。加えて、2700億円ある19年度予算の予備費を活用して、第2弾となる緊急対策を今後10日間程度で取りまとめる、とした。

この1~2週間瀬戸際「判断に時間かけている手間なかった」

   2月24日に政府の専門家会議が新型コロナウイルスに関して出した声明では、「これから1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」となっているが、政府の「要請」による休校期間は「3月2日から春休みまで」と1か月ほどで、専門家会議が示した期間の2倍以上だ。「要請」が唐突な上に、根拠が不明だとの指摘は与野党から根強い。

 

   こういった指摘について、安倍氏は次のように話した。説明不足は認めたものの、「要請」の根拠については、従来の説明を繰り返した。

「それでもなお、この1~2週間が、これから急速な拡大に進むのか、あるいは収束できるのか瀬戸際という状況の中で、何よりも子どもたちの健康・安全が第一。学校において子どもたちへの集団感染という事態は何としても防がなくてはならない。そうした思いで決断したところだ。専門家の皆様も、あと1~2週間という判断をされた。言わば、判断に時間をかけている手間はなかった。『十分な説明がなかった、与党を含めて』(という指摘がある)。確かにそのとおりだが、しかしそれは責任ある立場として判断をしなければならなかったということで、どうぞご理解をいただきたいと思う。その上で、これにともなうさまざまな課題については、私の責任において万全の対策を行っていく」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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