2020年は、うるう年である。当然、「うるう日」である2月29日があるわけだが、うるう日生まれの人の誕生日って、どうなっているのか? また、法的な扱いとしてはどうなのか? J-CASTニュース編集部が取材をした。
母親が出生届を翌日に提出
ネットで「2月29日生まれの有名人」を検索すると、ミステリー作家の赤川次郎さん、俳優でタレントの峰竜太さん、女優の飯島直子さん...といった名前が出てきた。ただし確認のために「タレント名鑑」を見ると、峰竜太さんは1952年3月1日生まれという記載となっている。
峰さんの所属事務所に確認すると、
「峰は長野県出身で、確かに2月29日のうるう日生まれです。しかし、峰の母が出生届を3月1日に出したということらしく、プロフィル上では3月1日として記載しております」
といった回答だった。
一方、同じうるう日生まれの飯島さんに関しては、そのまま2月29日と記されていた。4年に1度しか訪れないうるう日。テレビ等でも「4年に1回しか歳を取らないの?」といった番組を目にしたことはあるが、実際のところ法律上はどうなっているのか? 法務省民事局に話を聞いた。
担当者によると、「年齢計算ニ関スル法律」というものが1902年12月に公布、施行されたという。同法律は以下、全3項(全54文字)という極めて簡素なもので、原文は片仮名書きとなっている。
○1 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス
○2 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス
○3 明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス
うるう年でなくても当然年を取る
さらに上記2項にある民法第143条についても調べてみた。
第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
法務省民事局の担当者によると、
「第143条の第2項の中にある『起算日に応答する日の前日に満了する』という部分が大事になってきます。例えば2月29日生まれの方の飲酒、喫煙などは『いつからOKなのか?』という話です」
分かりやすくいうと、4月1日生まれで20歳を迎える人がいたとして、3月31日23時59分までは飲酒や喫煙はできないが、3月31日24時になった瞬間、シャンパンを抜いて飲酒、喫煙しても法律には抵触しない...といった解釈となる。
つまり考え方としては、うるう年であろうがあるまいが、「例えば西暦2008年2月29日生まれの者は、西暦2009年2月28日限り(すなわち2月28日の24時)をもって満1歳になります」(参議院法制局サイトに掲載のコラムより)。
もっとも2020年2月29日に20歳を迎える人は、2000年2月29日生まれということになる。「4年に1回×5」である以上、20歳の誕生日は(一部の例外を除き)必ずうるう日なので、お酒とたばこに関しては、あまり悩む必要はない。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)