新型コロナウイルス問題で連日テレビに出演している専門家、白鴎大学の岡田晴恵特任教授(感染症学、公衆衛生学)が、夕方番組の司会者から「言葉遣い」をやんわりと注意される一幕があった。
「発熱外来」の設置が進んでいない現状に関する話題の際の出来事で、連日の長時間の出演による「お疲れ」との指摘も受けたが、岡田氏は「別に疲れておりません。怒っているだけです」と応じていた。
「だから発熱外来作れって言ってるじゃないですか。昔から」
2020年2月28日夕のニュース番組「Nスタ」(TBS系)では、新型コロナウイルスを高精度で検出するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査を広く実施する態勢がなかなか整わない国内の状況を取り上げた。また、PCR検査を一般病院から検査機関に依頼できるようにしようとしても、一般の患者にウイルスをうつしてしまう可能性が出てくる問題点などを整理して解決していく必要があるのに準備ができていないと、現状を批判的に取り上げた。井上貴博キャスターが、画面右手の岡田氏やさらに右手の牧嶋博子・TBS報道局解説室長に話をふりながら進行していた。
現状を悲観したのか、「はあ...」と井上氏がため息をつく中、一瞬、間があき、井上氏と牧嶋氏が左右から同時に、岡田氏に「どうぞお話しください」とばかりに手のひらを上向きにして無言で片手を差し出した。なぜか顔を少し斜めにして仏頂面の岡田氏は、
「だから発熱外来作れって言ってるじゃないですか。昔から」
と発言。受け止め方によっては「吐き捨てるような」話し方にも見えた。井上氏も気になったのか、
「少し言葉遣いだけ...発熱外来を...」
と修正を促した。岡田氏は続けて
「発熱外来を作って病院を(新型コロナ感染の可能性がある患者用と一般患者用とで)分けなさいって言ってるわけでございまして、発熱外来から検査センターに行くと。まずはそれをしないと国民は医療を受けられません」
と、「ございまして」と丁寧な言葉を使ったうえで、
「すみませんでした」
と頭を軽くさげた。
2月26日には1日で4番組「はしご」
すぐに井上氏は、
「朝から晩まで(他番組にも)出て頂いて、お疲れが出てるんだと思いますけど...」
とフォローした。牧嶋氏も、岡田教授が以前から提言している内容が政府によって実行されていないといった趣旨の指摘をし、
「だから岡田さん、疲れちゃってるんです」
と説明した。しかし、岡田氏は両者の見解を否定。
「なんで(発熱外来の設置を)考えないのかな。別に疲れておりません。怒っているだけです」
と真顔で断言した。井上キャスターから「またのちほど(のコーナーで)」と声をかけられると、岡田教授はまた
「すみません」
と謝罪していた。スタジオからは軽い笑い声がもれていた。
岡田教授のテレビ出演の多さは、デイリー新潮が2月17日、「『新型コロナ』でテレビに出ずっぱりの『岡田晴恵さん』 1日5回番組、驚異的な出演回数」といった記事も出るほどで、白鴎大学サイトの「メディア掲載情報」によると、2月以降だけを見ても、岡田教授は1日から28日まで休みなく毎日テレビに出演している。28日もNスタを含み3番組、27日2番組、26日4番組といったハードスケジュールが続いている。