2020年東京五輪男子マラソン選考会を兼ねた東京マラソン(3月1日・東京都庁~東京駅前42.195キロ)のプレスカンファレンスが2020年2月28日、都内で行われ、国内外の男女有力招待選手が出席した。
日本からは日本記録保持者の大迫傑(28)=ナイキ=、設楽悠太(28)=ホンダ=、井上大仁(27)=MHPS=の3選手が出席し、五輪代表に向けてそれぞれ意気込みを語った。
大迫「自信を持ってスタートラインに立てると思う」
今レースはマラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ第2戦となる。代表の残り1枠を巡っては、ファイナルチャレンジ全3戦(福岡国際マラソン、東京マラソン、びわ湖マラソン)で2時間5分49秒以内をマークした日本人最速ランナーが代表に選出され、この3レースで突破者が現れなかった場合、昨年9月のMGC本戦で3位に入った大迫の代表入りが内定する。
男子マラソン代表の3枚目の切符を巡る争いは世間の関心が高く、この日行われたプレスカンファレンスの模様は、「東京マラソン2020」の公式サイトでライブ配信され、同サイトでは日英同時配信を謳っている。ファイナルチャレンジを回避する選択肢もあった大迫は「自分のペースでしっかり走れればいいと思っている。非常に自信を持ってスタートラインに立てると思う」と順調な仕上がりぶりをうかがわせた。
昨年のMGC本戦で終盤に失速した設楽は「まずは自分のペースで行ければいいと思っている。外国人選手に食らいついていければと思ってます」とコメントし、目標タイムに関しては周囲をはぐらかすように「2時間6分10秒」とした。また、目標タイムを「2時間4分30秒」とした井上は「(タイムを)ガチガチに狙っているわけではないけれど、今の力を出せば狙える」と自信をのぞかせた。
フジテレビはレース直前に特集番組→レース生中継
今大会を主催する東京マラソン財団は2月17日、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、出場を予定していた3万8000人の一般ランナーの出場を取りやめた。以降も感染の状況が好転することはなく、安倍晋三首相が26日にスポーツなどの大規模イベントについて今後2週間は中止や延期するよう要請。これに対して大会規模が大幅に縮小した東京マラソンは「大規模イベント」に当たらないとして、予定通りレースが行われる。
とはいえ、大会実施にあたって不安視されるのがレース当日の観戦だ。現時点でどれほどのファンが沿道に駆け付けるか予測つかないが、沿道の観戦者の数がレース出場者を大きく上回る可能性もある。「東京マラソン2020」の公式サイトでは、当日の沿道応援に関して「体調不良の方は、沿道での応援はお控えください」と呼びかけ、観戦を予定しているファンに対しては、人が密集しているような場所での観戦を控えるようメッセージを送っている。
レース出場者が大幅に減少し、大会の規模は縮小したものの、レースのテレビ中継は大きく展開される。東京マラソン財団は28日、「東京マラソン2020」公式サイトで海外117の国と地域でテレビ放送することを発表。NBC Universal、ESPN Internationalなどの主要放送局によって、米国、アジア、アフリカなどで放送される予定だ。国内ではフジテレビが午前7時35分から直前スペシャル番組を組み、午前9時からレースを生中継する。大会の規模に反してテレビ中継は大掛かりなものとなりそうだ。
レース本番を2日後に控え、車いすの国内外招待選手計10選手が出場を辞退した。プロ野球では2月29日から3月15日までのオープン戦全72試合が無観客試合に。サッカーのJリーグ、ラグビーのトップリーグでは試合を延期する措置を取った。五輪の代表選考レースということで国内の注目度は高く、開催の是非を巡っては様々な声が上がる中、約200人の「小規模レース」として3月1日、東京マラソンの号砲が鳴らされる。