新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が進むなか、今夏に迫った東京オリンピック・パラリンピックが、予定通りのスケジュールで開催されるのか、注目が集まっている。
2020年2月28日には、五輪に関するハッシュタグ「#中止だ中止」が、日本のトレンド1位に入った。これは大友克洋さんの漫画で、アニメ映画化された「AKIRA」に登場するワンシーンを指している。
開催決定直後から話題になっていた
東京五輪の開会式は、20年7月24日の予定だ。オリパラをめぐっては、ここ数日で国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員が、開催是非の判断は「引き延ばせて5月下旬」や「1年延期」の選択肢を示して、注目をあびた。そんななか、1988年公開のアニメ映画「AKIRA」が話題だ。
この作品は、2020年の東京五輪開催を控えた「ネオ東京」を舞台にしていて、実社会で開催が決まった13年ごろから「予言していた」と指摘され、大会エンブレム騒動が起きた15年など、これまで度々話題になっていた。なかでも有名なのが、開催までをカウントダウンする看板を描いたワンシーン。「東京オリンピック開催迄あと147日」「国民の力で成功させよう」と書かれた看板の下には、「紛砕」(正しくは粉砕)、「中止だ中止」といった落書きがされている。
20年2月28日は、ちょうど開会式まで147日にあたる。安倍晋三首相は26日、今後2週間にわたり、大規模なスポーツ・文化イベントの中止や延期検討を要請した。続く27日には、全国の小中高校にむけて、3月2日から春休みまでの休校も要請した。新型コロナ終息の見通しがないなか、「中止だ中止」が現実味を帯びてきたと考えるネットユーザーが多かったようだ。