2020年2月27日、「俺とゆかりのバースデー2020」というワードがツイッターのトレンドに上がった。
これは、この日迎えた声優・アーティストの田村ゆかりさんの誕生日を祝うものだったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、イベントが中止になってしまったファンがネット上で誕生日を祝う、その盛り上がりを示したものだった。
「コール禁止」で感染防止も、前日に中止決定
田村さんは毎年2月27日前後に「田村ゆかりバースデーイベント」を開催、20年は2月27日当日にパシフィコ横浜(横浜市)で開催予定だった。
ところが、新型コロナウイルスの感染者が増加し、国内でも感染拡大傾向が強まると、感染防止のためのイベントの中止が相次ぐようになる。そこで2月25日、オフィシャルサイト上で、イベントでのコールを禁止すると発表、来場できない観客にはチケットの払い戻しで対応するとも発表した。
田村さんの楽曲では、ラップパートを観客が歌ってしまう曲(you&me)や、「世界一 かわいいよ!」(fancy baby doll)、「ゆーかり・はいっ!」(fantastic future)といった独特で統制のとれたコールが定着していた。飛沫感染防止のための異例の発表だったが、「コール中止でもライブやってくれるだけありがたい」「逆に面白い」「初めてクリアにゆかりんの歌が聴けるのが楽しみ」と、参加者は前向きにとらえ、コールができない代わりにコールするセリフを書いた団扇を自作する人もあらわれた。
しかし2月26日に政府の大規模イベントの中止・縮小要請を受け、イベントの中止が決まった。田村さんの誕生日当日のイベントはなく、ファンはそれぞれのやり方で誕生日を祝った。そこで生まれたハッシュタグが「俺とゆかりのバースデー2020」だった。
「現地推し」「団扇」...思い思いに祝うファン
ツイッターでは、このハッシュタグなどを付けて、パシフィコ横浜に訪れる、バースデーケーキを買う、ファン同士オフ会で集まる、自作のイラストや団扇をネットに投稿する、など思い思いのやり方でファンは田村さんの誕生日を祝っている。
バースデーイベントは中止になったものの、田村さんのYouTubeチャンネルでは27日19時から生配信番組「ゆかりすたじお ハッピーバースデーゆかりん(編注:ハートの絵文字)おめでとう」を始めるとオフィシャルサイトで告知されている。この対応にも「姫(田村さん)の神対応」「お布施したい」といった感想が現れている。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)