検査で陽性でも対処方法は「変わりません」
舘田氏は「(PCRの)精度はかなり高く検査できるようにはなっています」とするものの、
「それでも病原体は数が少ない時からだんだん増えていくような状況にあります。感染初期は陰性でも、後から陽性になるということもよくあります。クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス号)の中でもそういった乗客の方がいました。このような点から、あまり検査に引っ張られないで、今は入院が必要な肺炎患者の方に重点をおいて対応していくのが大事です」
と説明。検査で陽性か陰性かということより、まず現に症状が重いかどうかに注意するべきだと指摘した。
また、PCR検査は結果が出るまで少なくとも「数時間から1日」かかり、インフルエンザ検査などと比べても時間を要す。検査の結果、陽性が出た場合も治療・対処方法は「変わりません。まず治療方法は確立されたものがありません」と舘田氏は話す。
先述した「新型コロナウイルス感染症―水際対策から感染蔓延期に向けて―」の文書にも、「特異的な治療薬はありません」の項で、「新型コロナウイルスによる感染症に対する特別な治療法はありません。脱水に対する補液、解熱剤の使用などの対症療法が中心となります。一部、抗 HIV 薬(ロピナビル・リトナビル)や抗インフルエンザ薬(ファビピラビル)などが有効ではないかという意見もありますが、まだ医学的には証明されていません」などとする指摘がある。
「念のため検査を受けたい」と思ったとしても、「やめた方がいいでしょう。キャパシティに限りがあるので、本当に必要な人が検査できなくなるおそれがあります」と舘田氏は話している。