新型コロナの検査対象、拡大すべき? 専門家会議メンバーが指摘する「混乱」のリスク

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PCR法には「限界があります」

   一方、日本感染症学会と日本環境感染学会は21日、「新型コロナウイルス感染症―水際対策から感染蔓延期に向けて―」と題した文書を発表し、今後の対応のポイントを説明。これまで明らかになってきた症例や感染状況などから、「高齢者・基礎疾患保有者における肺炎の合併は生命を脅かす重篤な状態につながる可能性を高めます。このような感染症の蔓延期においては、重症例に焦点をあてた医療の実施が重要な戦略となってきます」と大きな方針を適示している。

   同文書では一般市民向けに、検査に関して「現在、実施されているウイルス検出のための検査(PCR法)には限界があります」として、次のような解説がある。

「新型コロナウイルスは、主に咽頭や肺で増殖しますが、インフルエンザに比べてウイルス量は少ないと考えられています。PCR法という核酸検査で増幅してウイルスを検出する方法が診断に応用されています。最初の検査で陰性で、2回目の検査で陽性となった症例も報じられました。インフルエンザに比べて1/100~1/1000といわれるウイルスの少なさは、検査結果の判定を難しくしています。とくに早い段階でのPCR検査は『決して万能ではない』ことをご理解ください」

   医療機関向けには、「軽症例はインフルエンザ外来に準じた対応を行います」という項目で、「症状が軽い時、現時点での検査体制では必ずしもPCR検査は必要ないことを説明してください」という記載もある。ただ「一方で、重症例、あるいは重症になりそうな症例を見逃さないことが必要になります」と指摘している。

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