中部大、当初「新型コロナウイルスでの効果にも期待」
中部大は20日、「海藻の『あおさ』にヒトコロナウイルス増殖抑制効果を確認 ─新型コロナウイルスでの効果にも期待」との研究データを発表した。
研究は、同大の河原敏男教授(生命健康科学部)、林京子客員教授(工学研究科)とともに、アオサから抽出したラムナン硫酸を使った健康食品を販売する「江南化工」、ラムナンを研究する「ラムナン研究所」が関わる。林氏はラムナン研究所の学術委員も務める。
発表では、「海藻の『あおさ』にヒトコロナウイルスの抗体を増やす効果があることを確認した。あおさに含まれるラムナン硫酸を培養したウイルスに接触させたところ、高い抗ウイルス活性を示した」とし、さらに「ヒトからヒトに感染するヒトコロナウイルスと新型コロナウイルスの構造は類似しており、新型にもラムナン硫酸の効果があると期待している」と、新型コロナウイルスの感染予防にアオサが効果的だと暗に示した。
実験ではヒトコロナウイルスではなく、「エンベロープとRNAを持つ」A型インフルエンザウイルスを代わりに使い、感染したマウスにラムナン硫酸を与えた。すると、3日後にウイルス量が半減し、7日後には抗体が約1.5倍に増えたという。
これらの研究結果は論文にまとめる予定で、「今後、新型コロナウイルスの性質を調査中の医療機関と協力し、ラムナン硫酸の効果を検討したい」「コロナウイルス対策に特化した商品の開発も視野に入れる」と伝えた。
あくまでインフルエンザウイルスの動物感染実験で、論文にもなっていないが、発表では「新型(コロナウイルス)」の単語が6回も登場する。