新型コロナウイルスをめぐって政府の対策本部が2020年2月25日に発表した「基本方針」では、「罹患しても軽症であったり、治癒する例も多い」と説明されている。では、新たな感染事例が日々明らかになる中で、その患者たちの「その後」はどうなのか。
患者ごとの症状が厚生労働省の発表で明らかにされたのは2月7日が最後だ。ただ、それ以降も患者ごとに「周囲の患者の発生」「濃厚接触者の状況」といった項目は患者ごとに明らかにされており、濃厚接触者について「健康観察終了」となる事例も少しずつ増えている。
2月10日時点で23人中9人が退院
厚生労働省では、感染が明らかになるごとにその事実を発表しており、すでに感染を発表した患者についても「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」と題する発表で、その状況を明らかにしてきた。
2月7日の発表によると、同日正午時点で症状が出た患者数はクルーズ船を除いて22人いた。そのうちチャーター便で帰国した人が6人で、全員が入院。症状は「軽快」3人、「症状安定」1人、「治療中」2人。それ以外の患者16人は、12人が入院し4人が退院している。16人の症状は「全快」が4人、「軽快」が5人、「症状安定」が7人だった。患者には通し番号がふられており、「周囲の患者の発生」の欄には、該当する患者の番号が入る。「濃厚接触者の状況」の欄には、該当する人の人数と、経過観察の状況が記されている。2月7日の時点では、濃厚接触者が特定されて健康観察まで完了している患者は2人のみだった。濃厚接触者がいない人も2人いた。
次に患者の「続報」が出たのは2月10日。クルーズ船以外で症状が出た患者数は23人に増え、患者それぞれの病状は公表されなくなった。ただ、チャーター便帰国者は7人全員が引き続き入院。それ以外の16人は、7人は入院し、9人が退院したことが明らかにされた。3日間で5人が回復して退院に至ったことが分かる。濃厚接触者の健康観察が終わった患者は引き続き2人だった。