ボクシングのWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(30)=フィリピン=が、異例のロング合宿で「モンスター」狩りに臨む。
2020年4月25日(日本時間26日)に米ラスベガスでWBA、IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(26)=大橋=と拳を交えるカシメロが、3月15日にラスベガス入りする。試合1カ月前に現地に乗り込み、異例のロング合宿で最終調整を行う。
井上も試合1カ月前からラスベガス入りを計画
カシメロは現在、米フロリダ州マイアミで合宿を張っており連日、ジムワークをこなしている。フィリピンの現地メディア「MANILA BULLETIN」によると、カシメロはマイアミでの合宿後、3月15日に決戦の地ラスベガス入りするという。海外で世界戦を行う場合、通常は1週間前、早くても10日前後で現地入りする選手が多く、試合1カ月以上も前に現地に乗り込むのは異例のことだ。
ラスベガス合宿には、コンディショニングコーチのメモ・メレディア氏とマニー・パッキャオの側近であるノノイ・ネリ氏が加わり、万全の態勢を敷く。カシメロは井上戦に絶対の自信を見せており、これまでも「俺がリアル・モンスターだ」と息巻き、陣営も挑発を繰り返している。
一方の井上も試合の約1カ月前に現地入りする計画を立てている。井上はこれまで米国と英国で試合をしているが、現地入りしたのはいずれも試合の1週間から10日前。今回は家族同伴でラスベガス入りする予定で、統一戦に臨む「意気込み」の表れでもある。
スパーリングパートナーも強打に悲鳴
井上はカシメロ戦に備えてグアムで徹底的に走り込んだ。今月中旬からはフィリピンから2人のスパーリングパートナーを招き、横浜市の大橋ジムでスパーリングを行っている。ここまでの調整は順調なようで、フィリピンの現地メディアでは2人のフィリピン人パートナーが井上の強打に音を上げているとの報道もみられる。
井上、カシメロともに異例のロング合宿で最後の調整を行い、最高のコンディションに仕上げる。日本、フィリピンのみならず世界中のボクシング関係者が「モンスター」の3団体王座統一戦に注目している。決戦まで約2カ月、両者の動向に目が離せない。