日本橋三越「ブランド力」の行方 「新館にビックカメラ」でこれから起きるコト

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不動産業態を強化する動き

   インターネット通販の広がりなどで百貨店の経営は年々、厳しさを増している。日本百貨店協会が発表した2019年の全国百貨店売上高は前年比2.2%減の5兆7547億円で、6年連続で減少した。人手不足による人件費高騰も厳しい経営に追い打ちをかけている。

   百貨店は元々、自らが商品を仕入れて売るという業態でやってきた。しかし価格はもちろん、品ぞろえの豊富さでも今や、ネット通販にかなわなくなっている。従来の業態では限界がある。そこで、主要駅に近かったり、一等地に店を構えたりしているなどの地の利を生かし、売り場をテナントに貸し出す不動産業態を強化する動きが目立ってきた。J.フロントリテイリングが運営し、東京・銀座(同中央区)の旧松坂屋跡に2017年にオープンした複合施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」がその代表だ。

   日本橋三越本店のビックカメラ受け入れもこの動きの一つといえる。大胆な改革が不可欠ということだろう。三越伊勢丹HDは「品ぞろえを強化する一環」と説明し、あくまでもビックカメラと連携して客の満足度を上げ、売上増につなげたいとの姿勢を強調する。日本橋三越というブランド力を維持し、中心顧客である富裕層に受け入れられるか。三越伊勢丹HDの行く先を占う挑戦といえる。

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