過去にも「多様性」と「寛容」呼びかけ
現代の重要なキーワードとされる「多様性」だが、天皇陛下は皇太子時代にも、何度かこのテーマについて言及してきた。
昨2019年の誕生日会見でも、
「平成は、人々の生活様式や価値観が多様化した時代とも言えると思います。それは、ITその他の科学技術の飛躍的発展によって、更に推し進められた部分もあると思います。今後は、この多様性を、各々が寛容の精神をもって受け入れ、お互いを高め合い、更に発展させていくことが大切になっていくものと思います」
という時代認識を示し、「多様性」と「寛容」の重要さを打ち出している。また、2017年4月の会見ではマレーシア訪問を前に、その社会の印象を「多様性と寛容性」とした上で、こう語る場面があった。
「日本では、協調や譲り合いの精神などが重要視されますが、マレーシアにも『ゴトン・ロヨン』という言葉があり、それは『相互扶助』を意味するそうです。まさに、多様性を抱えるマレーシアの人々が、相手を思いやり、お互いに助け合って、合意を目指すという理念を持っていることの表れだと思います」