それ、本当に「炎上」?判定方法は作れるか ネット賛否を「可視化」してみる

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炎上は「低コスト」で起こせてしまう

「記事でキズナアイが炎上していると書かれていましたが、ネットの反応を見るに、炎上しているようには見えませんでした。ツイッターのタイムラインは個人の好みにカスタマイズされています。そのため、それに沿ったツイートだけが流れて全体像を見通せないので、ある人が炎上だと言い切ればその実態がなくても炎上だと言えてしまいます」

   前原さんは2020年1月中旬、J-CASTニュースの取材に、ブログの執筆理由をこう明かす。

   前原さんは以前から、炎上のレッテルを貼られた企業や個人は、中身はどうであれ何かしらの対応を迫られてしまう、との問題意識を持っていた。

「SNSで炎上と言われると、批判的な意見が殺到したと考えがちですが、キズナアイの事例は、批判よりも擁護や批判に対する反発が多かったです。SNSでの炎上は不透明なため、批判だろうが擁護だろうが、『炎上した』として、炎上の対象になった団体や個人は、不透明なまま謝罪や公開中止などの態度決定をしてしまいがちです」
「燃やした人勝ちになってしまいますし、低コストでそれができてしまいます。結局、コストをかけて作る制作者と非対称なものがあり、言論や表現の自由を狭めてしまうことにもつながるはずです」(前原さん)

   そこで、不透明な状況を計測可能にすることを考えた。「批判者、中立者、容認者はそれぞれどれくらいいるのかを指し示すだけでも、炎上の当事者には落ち着いて対処してもらえるのでは」との思いからだ。

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