スマートフォンが脅威となっている
シチズン時計の株価が下落している背景には、主力事業の腕時計を巡る時代の変化がある。おそらく50代以上の男性にとって腕時計は常に身につけているのが当たり前であって、思い入れのあるものを複数持っている人は多い。なかでも経済的に余裕のある人なら、シチュエーションに応じて同じ一日であっても腕時計を付け替えることも珍しいことではないだろう。
ただ、これまで安価なデジタルカメラやカーナビなどを駆逐してきたスマートフォンが、腕時計業界にも脅威となっているのが現状だ。若年層にとって常に携帯しているスマホを見れば時刻は分かるため、わざわざ腕時計をはめる必要はない。また、腕時計を見ることは目の前にいる人に「退屈させているんだろうか」などと心をざわつかせないとも限らないが、スマホをチェックするついでに時刻を確認するのなら、相手にそこまでのマイナス感情を呼び起こすことはない。
そうしたことから、若年層の腕時計離れが確実に進んでいる。