2020年2月16日、動画配信サービスSHOWROOMでの生配信で、乃木坂46・欅坂46・日向坂46の「坂道グループ」への新規メンバーの加入が発表された。加入が決まった15人は皆「坂道研修生」として活動していたメンバーだ。
新メンバーは「何期生」になり、どんな反応をグループにもたらすか。「期」をキーワードにしつつ、乃木坂46の例をもとに推し量ってみる。
加入時期の違う「同期」
内訳は乃木坂46に黒見明香さん・佐藤璃果さん・林瑠奈さん・松尾美佑さん・弓木奈於さんの5人が加入。欅坂46には遠藤光莉さん・大園玲さん・大沼晶保さん・幸阪茉里乃さん・増本綺良さん・守屋麗奈さんの6人が、日向坂46には髙橋未来虹さん・森本茉莉さん・山口陽世さんの3人が加入する(松岡愛美さんは学業のため活動辞退)。
この昇格が発表された時、ファンが気になった点の1つは昇格メンバーが「何期生になるのか?」という点だった。この点は乃木坂46への5人は4期生、欅坂46への6人は2期生、日向坂46への3人は3期生として活動すると公式サイト上でも発表されている。
実はこの新加入メンバーには、既に正規メンバーになっている「同期」がいる。乃木坂46に4期生が11人、欅坂46に2期生が9人、日向坂46に3期生が1人在籍。なぜ加入時期が違うのに同期なのかというと、皆2018年に行われた「坂道合同新規メンバー募集オーディション」の合格者であるためだ。
18年11月29日にこのオーディションの合格者39人が決定したことが発表されたが、この時正規メンバーとして加入したのは21人で、合格したが配属されなかったメンバーのうち辞退者を除く15人は19年9月にプロフィールが公開され、坂道研修生としてレッスンやコンサートを行っていた。加入が1年あまり遅れたものの、同じオーディションの合格者は全員正規メンバーとして活動できることになった。
坂道グループにはこのように複数の「期」があるが、時期や加入経緯の違いで、期ごとの「カラー」も生じる。特にフラッグシップである乃木坂46ではその差異は顕著だ。
「不遇」と言われながら...研究生スタートばねにした2期生
現在1期生から4期生までが在籍する乃木坂46だが、加入経緯はさまざま。グループ発足を担った1期生は2011年にオーディションが行われ8月に36人がお披露目となった。活動2年目の2012年12月~13年1月に2期生オーディションを行い、5月に合格者12人がお披露目されたが、2期生は全員が研究生(「坂道研修生」とは異なる)からスタートした。
このため正規メンバーへの加入は段階的になり、13年11月に7枚目シングル「バレッタ」での堀未央奈さんの昇格から、15年2月に6人(伊藤純奈さん・佐々木琴子さん・鈴木絢音さん・寺田蘭世さん・山﨑怜奈さん・渡辺みり愛さん)が昇格し全員が正規メンバーとなるまで、合格から2年弱を要した。このような段階的な昇格システムが取られたのは2期生だけで、2016年の3期生オーディションで12人が選ばれた3期生は最初から全員が正規メンバー、さらに一部メンバーには合格時点で雑誌での企画が用意された。
グループの「顔」となったメンバーが多くいた「牽引役」の1期生、人気確立後に加入した3期生以降と比べて2期生には「不遇」ではないかというファンの声も少なくなかったが、その分個々のメンバーが得意分野を発掘して活躍し「個性派ぞろい」と評する向きもある。2期生の北野日奈子さんは、17年7月9日のブログで
「二期生はみんなそれぞれ
スタートがちがうから
皆んなの立ち位置もかなり違うと思うし
だけど、それぞれがちゃんと意味のあるポジションにいて、
それを自分たちでわかっていて
だからこそそれぞれが個々に頑張って
今では皆んながみんなそれぞれの分野で
活躍してると思います」
と振り返っていて、加入経緯もメンバーの活動路線に影響していることがうかがえる。
4期生、「独り立ち」の足掛かりになるか
1期生・2期生と3期生・4期生の加入経緯を比較すると、1期生と3期生、2期生と4期生の経緯がやや似ている。もともと先輩格の1期生2期生と、次代を担う3期生4期生という「線引き」もファンの間には無意識にある。
一方、これまで3・4期としてひとくくりにされることも少なくなかった4期生が、新たに坂道研修生から5人を迎えたことで、16人に人数が増えた4期生独自のカラーを出していく可能性も芽生えている。現在は公式ブログも4期生はメンバーごとではなくひとくくりにされているが、今後個別のブログが作られるかもしれない。
賀喜遥香さんは2020年2月18日の4期生ブログで、
「後から加わるのは、すごく不安だと思います。
私達も自分たちのことで精一杯でしたが、1年経って少しずつ余裕が出てきました。
入ってくる5人を11人で支えて、新しい乃木坂46 4期生としてより良いチームにしていけたらいいなと思います」
とつづっている。もともと同じオーディションを勝ち抜いた仲間意識と、約1年3か月の間に正規メンバーと坂道研修生という違う経験を積んできたことが、16人の間にどんな化学反応を起こすかが注目ポイントとなる。
他の坂道グループでも「絶対的エース」だった平手友梨奈さんが脱退したばかりの欅坂46では2期生が15人の大所帯となり、日向坂46は上村ひなのさん1人だった3期生が4人に増える。全員が正規メンバーになった合同オーディション合格者は、どのグループでも無視できない存在になっていくだろう。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)