2020年2月21日に行われた中居正広さんのジャニーズ事務所退所会見。筆者はカメラマンとして現場に向かった。順番にくじ引きをして、筆者が引いたのは「10」。2列目のセンターと、最高の位置だった。
「フラッシュの点滅にご注意ください」
会見場のスタッフに「場所取りが終わったらスチール、ムービーの方は一旦、外に出てください」と促され、荷物を置いたまま室外に出た。外に出たのは会見の45分ほど前だっただろうか。時間に余裕があるので一服した。
しかし、会見15分ほど前になって、会場に戻ってみると...。あれ? 聞き覚えのある声が聞こえる。えっ?? 開始時間前なのに、中居さんが半ば「乱入」状態で会場内にいた。「フラッシュの点滅にご注意ください」と手書きのドッキリ風プラカードを持って、
「会見の前のご説明みたいなのをしようと思ったんですけど...。いいですか? もう始めて。説明していいですか? 僕が会社、辞めることは、まだ...? これ、言っちゃダメなんですか? 今日、その発表なんですよ」
完全に中居さんのフライング、というか「暴走」に慌てたスタッフから「まだです!」と言われたものの、多くのカメラマンが発表前に聞いてしまった。筆者も20年以上、いろんな記者会見を見てきたが、会見開始時間が「押す」ことはあっても、本人自体が「巻く」というのは初めての経験だ。
「謝罪会見じゃないですよ?」とジョークを飛ばす
中居さん曰く、
「(新たに立ち上げる個人事務所の)取締役(になるから)。こういう会見ぐらい、1人でやっていけないと、ダメだから。よくワイドショーとかで『いい会見でしたね!』とか『ダメでしたね~』っていうの、あるじゃないですか? じゃあ、オープニングから行きますから。ここ(前説)使わないでくださいね。いい? 記者会見っぽいの、やりますから」
中居さん独特のジョークで、カメラマンたちを爆笑の渦に巻き込み、一気に場を和ませた。その後も、ドアを開けて入ってくるところを演出し、
「いいですか? 本番、行きますよ。えっ?(冒頭に)頭、下げるんですか? これ、謝罪会見じゃないですよ?」
終始、笑顔を浮かべ、報道陣を「中居流サプライズ」へと見事に引き込んだ。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)