「新型コロナ検査は自己負担8万円」、なぜ誤情報は拡散されたのか

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「感染者はあちこちに居るのだ」と恐怖

   投稿者の「8万は誤情報訂正済」さんは奈良県に住む19歳の女子学生(以下、「女性」)。ツイッターのダイレクトメッセージ(DM)を通じてJ-CASTニュースの取材に応じ、元々は自身や母親の身を案じての投稿だったと、一連の経緯を明かした。

   母親から「自己負担8万円」の話をされた16日、「どういう経緯で聞いてきたのか何も知らない私は、母親、つまり病院側の人間で医療従事者が言うなら本当なんだろうなと信じ込みました」といい、「母親の勤務先に新型コロナの症状らしき人が居るのだ」と不安を覚えた。同時に「やっぱり、ニュースにしていないだけで感染者はあちこちに居るのだ」と恐怖したと語る。

   母親が心臓病を患っているといい、「もし職場の患者に新型コロナウイルス感染者がいて、万が一母親が感染したら。その事ばかりを考えました。謎の咳や嘔吐症状を起こしたので尚更です」と身を案じたと振り返る。そして「私は誰かに伝えたかったのです」として投稿することにした。

「『母親の勤務先で新型コロナ患者らしき人が居る。母親が危ない。なのにコロナ検査をするにはこういった事があって出来ない。これじゃあどうする事も出来ないじゃないか』。そういう意味を込めてツイートしました」

   瞬く間に拡散する中、「自己負担8万円」に疑いを持ったのは、他のユーザーからリプライで指摘を受けたことがきっかけだった。女性はすぐ母親に確認。上記のとおり誤情報であったことが分かり、18~19日に自ら打ち消した。だが、この訂正に至るまでには様々な思いが駆け巡っていた。

「当時のツイートが伸び始めた頃、政治アカウントに見つかり『8万』という情報だけが出歩いていってしまいました。そこからが地獄でした。私が伝えたかったのは母親の周りで起きている恐ろしい出来事なのに、私のツイートは『コロナ検査費用は8万』という政府を叩く武器にされてしまいました。勿論、母親の心配をして下さった方もいます。でもそれは結果的に見ると2割程度しかありませんでした」
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