「タイの世界戦で勝つというのは非常に難しい」
佐藤の世界戦では「暑さ」にやられたという。試合は体育館で行われ、当初は空調が効いており涼しさを感じるほどだった。だが、メインイベントが始まる前に突如、空調がストップ。その後、なぜかすべての換気扇が閉ざされ、館内は蒸し風呂のようだったという。金平会長は関係者に故障の原因を問い詰めたが、はっきりとした答えをもらうことが出来なかったという。
金平会長は「ユーリの件もあったので、前日に会場の空調やリングマットの状態などを確認しました。契約書の中にも『リング上のコンディションが保たれなければ試合はしない』との内容を盛り込んでありましたが、試合直前の出来事でしたのでどうすることも出来ませんでした。このようなことを含めて、日本人の選手がタイの世界戦で勝つというのは非常に難しい。万全のコンディションでリングに上がることが難しいですから」と話した。
1952年5月に白井義男が日本で初めて世界王座を獲得してから68年。いまだ「鬼門」を突破するボクサーは現れない。35歳の田中が歴史を作ることができるのか。タイトル戦は3月3日、タイ北部ナコンサワン市の野外特設リングで行われる。