なぜ日本人ボクサーはタイで勝てないのか 60年来の「鬼門」突破できない理由

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   ボクシングのWBA世界ミニマム級13位・田中教仁(35)=三迫=が、2020年3月3日にタイ・ナコンサワンでWBA同級王者ノックアウト・CPフレッシュマート(29)=タイ=に挑戦することが決定した。2月21日、発表された。プロ26戦19勝(10KO)7敗の田中は世界初挑戦。20戦全勝(7KO)の王者は12度目の防衛戦となる。

   日本のボクシング界においてタイは「鬼門」とされている。その理由は明白だ。過去、日本人ボクサーがタイで行われた世界戦で勝ったことがないからだ。日本ボクシングコミッション(JBC)が公認したタイでの世界戦の戦績は24敗1分と、いまだに勝ち星がない。

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ファイティング原田、海老原もリマッチで涙

   タイにおける「負」の歴史は古い。1962年10月、蔵前国技館で行われた世界フライ級タイトル戦でファイティング原田がポーン・キングピッチ(タイ)を破り王座を獲得。3か月後の63年1月、原田はタイ・バンコクでキングピッチとリターンマッチに臨み、判定負けを喫して王座を失った。

   原田の王座陥落から8カ月後の1963年9月、海老原博幸が東京体育館で王者キングピッチに挑戦し、1回KO勝ちで世界王座を獲得。だが海老原もまた原田と同じ道をたどる。64年1月の初防衛戦はキングピッチとのリターンマッチとなり、タイ・バンコクで行われた。結果は海老原の判定負けだった。

   原田、海老原以降、23人のボクサーがタイに渡って世界戦のリングに上がったが、いまだ勝利を手にした選手はいない。唯一の引き分け試合は、2011年12月に向井寛史(六島)がタイ・バンコクでWBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)に挑んだ一戦で、この試合は1回に偶然のバッティングがあり、1回負傷引き分けという結末だった。

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