ボクシングのWBCは2020年2月21日までに最新の世界ランキングを更新し、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(24)=白井・具志堅スポーツ=がバンタム級6位にランクアップした。比嘉は2018年4月の防衛戦の前日計量で体重を超過して王座をはく奪され、日本ボクシングコミッション(JBC)からボクサーライセンスの無期限停止処分を受けた。19年9月に処分が解除され今月13日に復帰戦を行った。
比嘉は13日に約1年10カ月ぶりの復帰戦に臨み、フィリピン・バンタム級11位ジェイソン・ブエナオブラ(フィリピン)に6回TKO勝利を収めた。この試合はバンタム級リミットを1ポンド(約450グラム)上回る119ポンド(53.9キロ)契約で行われた。WBCはこの復帰戦に先んじて比嘉をバンタム級7位にランクし、最新のランキングでワンランクアップした。
王座返り咲きに向けて一歩前進した形だが、当の比嘉は復帰戦後のリングで複雑な心境を吐露している。「このままモチベーションが上がらなかったら(ボクシングを)辞めようと思う。今後についてはいろいろ考えます」と進退に関して言及しており、自身の気持ちに整理がつかなければ引退を辞さない意向を示した。
3階級制覇の田中は3位にランクインで選択肢広がる
現在、世界のバンタム級は井上尚弥(26)=大橋=がWBAとIBFのベルトを保持しており、4月25日(日本時間26日)にWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)を相手に3団体王座統一戦に臨む。WBCは王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)と同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)の指名試合が決まっている。
また、昨年11月に予定されていたWBC世界バンタム級挑戦者決定戦の前日計量で体重を超過したルイス・ネリ(メキシコ)の世界ランク入りはならなかった。WBAは最新の世界ランキングでネリをスーパーバンタム級2位にランクしたことからWBCのランキングに注目が集まったが、ランク外のままだった。一方で3月28日にネリと対戦を予定するアーロン・アラメダ(メキシコ)はスーパーバンタム級11位にランクアップした。
世界4階級制覇を目指してスーパーフライ級に転向した田中恒成(24)=畑中=は、WBC世界スーパーフライ級3位にランクイン。田中はWBO世界スーパーフライ級の指名挑戦者に認定され、WBO同級1位にランクされている。現時点でWBO同級王者・井岡一翔(Reason大貫)への挑戦の可能性が高いが、WBCで上位にランクインしたことで選択肢が広がった。