名古屋ウィメンズマラソンの実行委員会は2020年2月20日、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、一般ランナーの参加を中止することを発表した。3月8日に開催予定の同レースは、東京五輪女子マラソン代表の最終選考会を兼ねており、「エリートの部」は予定通りに実施される。東京マラソンと同じく、参加料は返金されず2021年の出場権は付与されないことになった。
3月1日開催の東京マラソンに続いて、世界規模を誇る名古屋ウィメンズマラソンが一般参加者のレース出場の中止を決めた。名古屋ウィメンズマラソンは女性を対象としたレースで、今回は約2万2000人の一般ランナーが出場を予定していた。一般ランナーについては、専用アプリを使用し、コースを使用しない「オンラインマラソン」を実施する。
「ロンドンは2020年にオリンピックを開催することができる」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて東京、名古屋の他にも全国各地でマラソン大会が中止に追いやられている。ウイルスの感染拡大が収束する気配が見えない中、3月20日に公式戦が開幕するプロ野球などマラソン以外の競技でも試合開催が懸念されている。一部では今夏に予定されている東京五輪の開催を危ぶむ声も上がっており、不安は広がっている。
日本スポーツ界が新型コロナウイルスの感染拡大により大きく揺れるなか、英国ロンドンの市長選に出馬しているショーン・ベイリー氏が自身のツイッターで、代替開催の誘致に名乗りを上げた。東京五輪が新型コロナウイルスの感染拡大により中止となった際にロンドンを代替都市に誘致しロンドン五輪を開催するというものだ。
ベイリー氏は自身のツイッターに「ロンドンは2020年にオリンピックを開催することができる。我々にはインフラと経験がある。そして、コロナウイルスが発生したことにより、世界が我々の介入を必要とするかもしれない」と投稿。2012年に自国で開催したロンドン五輪で得た経験を主張し、代替都市へアピールした。
「東京大会の中止や延期は検討されていない」
一方、オーストラリアオリンピック委員会のジョン・コーツ会長は、東京五輪開催に向けて前向きな姿勢を見せている。英国紙「ガーディアン」によると、国際オリンピック委員会(IOC)副会長でもあるコーツ会長は「アスリートと観客が入国するまでに、すべてのチェック、平静がそこにあることを非常に確信している」とコメントしている。
また、2016年リオデジャネイロ五輪の開催前に、当時ブラジルでジカ熱の感染が拡大していたことで、オーストラリア代表選手で出場を辞退したものも。コーツ会長は4年前の状況と現在を比較し、「オーストラリア人が(東京五輪から)撤退したいと聞いたことがありません」とコメントしている。
新型コロナウイルスの感染拡大により相次いでスポーツイベントが中止に追いやられている。ウイルスの感染拡大が東京五輪にどのような影響を及ぼすのか。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は13日に行われた会見で「東京大会の中止や延期は検討されていないことをはっきり申し上げたい」と明言している。