中国での新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の感染者は、連日3000人台と猛威を振るっていたが、2020年2月20日現在、新規の感染者数が1000人台(19日より399人増)に下がっている。
北京市内では、2月19日の1日間に増加した患者数が2人で、全体の数も395に食い止めている。上海では毎日十数万の帰省者が地方から集まってきているにもかかわらず、18日と19日には新しい患者が現れなかった。湖北省を除いて全中国のすべての省・自治区では19日に新しく増加した患者数は0か一桁にとどまっている。
新華社「行政の責任逃れ」
これを受けて、企業は生産活動を週明けの24日から本格的に再開しようとしているが、中国の行政当局はそれをサポートするよりも、感染者数をこれ以上、増やしてはいけないという理由で、生産の開始を簡単に許可していない。こうしたことが続くと、中国の経済発展の停滞が長引く可能性があると思われる。
疫病防止の名目で権限を強めている行政当局の動きとして、人民日報のネットでは2月18日に次のような報道もあった。湖北省の一家3人がマージャンをやっているだけで、突然入ってきた団地の保安要員がテーブルをひっくり返し、パジャマ姿の男性を引っ張り出して庭先で平手で顔を殴った。
またSohuネットの2月13日の報道では、江西省の田舎で早朝にマラソンをする際、マスクをしなかっただけで高校の教師が連行され、14日間の隔離を容赦なく命令されているという。
さらに新華社は2月17日にこのような報道をした。
「企業が生産の再開のためには、15の書類を作り、2種類の承諾書、一つの応急案、一つの生産開始案、1セットの食堂安全措置、1セットの宿舎での感染予防措置、あわせて21の書類を提出しなければならなくなっている」
新華社は、こうした動きについて、様々な対策を取って疫病のこれ以上の感染を防ぐというより、手に入れた権限を乱用したり、拡大したりしているとして、生産再開についての審査というより、「行政の責任逃れのためにやっており、形式主義に過ぎない」と批判した。