ボクシングの元IBF世界バンタム級王者エマヌエル・ロドリゲス(27)=プエルトリコ=が、WBC世界スーパーバンタム級王者レイ・バスガス(29)=メキシコ=に挑戦する可能性が出てきた。
プエルトリコの地元メディア「Primera HORA」が報じたもので、ロドリゲス陣営はバルガス陣営と交渉しており、近く合意に達する見込みだという。
昨年5月の井上戦以来の試合に
ロドリゲスがバンタム級から階級を1つ上げてスーパーバンタム級で「復帰戦」に臨む。ロドリゲスのプロモーターであるフアン・オレンゴ氏によると、2020年4月に米国でタイトル戦を行う計画だという。ロドリゲスは19年5月にワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝戦で井上尚弥(26)=大橋=に2回TKO負けを喫し、この試合以来のリングとなる。
ロドリゲスは昨年11月に元世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ)を相手にWBC世界バンタム級挑戦者決定戦を行う予定だった。だが、前日計量でネリが体重を超過。ネリは再計量を拒否し、陣営は試合成立へ向けてロドリゲスのファイトマネーを引き上げて交渉に臨んだが、ロドリゲスはこれに応じず試合は中止となった。
WBCは体重超過のネリに明確な処分を科すことはせず、昨年12月に王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)に対して同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)と指名試合を行うことを義務付けた。これによりロドリゲスはタイトル挑戦の機会を失い、長期間のブランクを余儀なくされた。
ロドリゲスの挑戦が先となりそう
何ら落ち度のないロドリゲスがネリの失態により大きな「被害」を受け、WBCがロドリゲスを指名挑戦者にしなかったことに対して、日本のボクシングファンから批判の声が上がっていた。
一方のネリはロドリゲスに先んじて階級を1つ上げ、WBAの最新ランキングでスーパーバンタム級の2位にランクイン。すでに「復帰戦」も決定しており、3月28日(日本時間29日)に米ラスベガスでWBC世界スーパーバンタム級12位アーロン・アラメダ(メキシコ)と対戦する。米国の専門メディアでは、この一戦はWBC世界スーパーバンタム級挑戦者決定戦と報じられていたが、ロドリゲスの挑戦が先となりそうだ。
ロドリゲスがWBC王座を獲得すれば、王者としてネリの挑戦を受ける可能性も出てきた。一度はネリの失態によって対決が実現しなかったが、舞台をスーパーバンタム級に代え、世界タイトル戦として因縁の「再戦」がありそうだ。