「不規則な発言をしたことをお詫びする。今後、閣僚席からの不規則発言は厳に慎むよう総理大臣として身を処していく」
2020年2月17日の衆院予算委員会の冒頭。安倍晋三首相はこう述べ、「意味のない質問だよ」と辻元清美議員(立憲民主党)にやじを飛ばしたことについて、謝罪と撤回を行った。
やじが飛んだのは、12日の衆院予算委員会。辻元議員が「鯛は頭から腐る。頭を替えるしかない」と批判して質問を終えた直後、安倍首相が自席から「意味のない質問だよ」と発言。その後、安倍首相は「罵詈雑言の連続で、私に反論の機会が与えられなかった」と釈明したのだが――。
「桜」にいら立ち...
連日、新型コロナウイルスの対策に追われるなか、「桜を見る会」をめぐる野党の度重なる追及に、首相はいら立ちを募らせたのかもしれない。実際、安倍首相は12日の衆院予算委員会で、このやじ以外にも皮肉を込めた答弁、挑発的な態度を連発し、野党に対する攻撃的な姿勢が目立った。
一方で、「桜を見る会」をめぐって同じ趣旨の質問を繰り返す野党に対し、「体たらく」「時間の無駄」といった声が、Twitterなどでも挙げられている。
ただ、忘れてはいけないのは、野党はじめ国会議員の「質問権」は憲法で定められた権利であるという点だ。安倍首相=内閣、辻元議員=国会という位置付けで考えた場合、憲法にはそれぞれの関係性について規定する項目がいくつかあるのだ。