東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、組織委)は2020年2月17日、都内で記者会見を開き、同大会のモットーを「United by Emotion」とすることを発表した。
オリパラ組織委によると、モットーである「United by Emotion」を和訳すると「感動で、私たちは一つになる」という意味だそうだ。ただ「大会モットーはあくまでも英語のみの表記であり、組織委が参考和訳を対外的に使用することはない」としている。
3~5単語のシンプルな英語のメッセージ
オリパラのモットーは、国際オリンピック委員会(IOC)、同パラリンピック委員会(IPC)で「3~5単語程度のシンプルな英語メッセージ」と決められているそうで、組織委の「大会モットー選定委員会」で、複数の候補の中から決められた。
同モットーに決定した経緯について、組織委の武藤敏郎事務総長は、
「東京大会は『共生』をテーマにうたっています。今、世界は経済、文化、政治など、あらゆる分野で分断が進んでいる状況です。世界200を超える国と地域から選手が集まり、メディアも観客も来ます。(SNSの普及などで)会わなくても済む時代に、まだ会ったことのない人との出会いが生まれます。国籍や民族、人種、性別、文化、宗教、障がいの有無...スポーツを通して、壁の向こうを想像し、互いを認め合い、集まった人間が『エモーション』で繋がることを託しました」
と説明した。
選定委員には、競泳で4度五輪に出場した松田丈志さん、元バレリーナで女優の草刈民代さんらが名を連ねた。
松田さんは、
「(オリパラの)一番の主役は、アスリートだと思っています。アスリートには、喜びもあれば悲しみ、悔しさもあって。僕自身、味わってきたと思っています。それが観客に伝わって、テレビを見ている人にも伝わって...。そういうものを、このモットーで表現できたんじゃないかと思います」
また草刈さんは、
「『日本の心』というか『心を一つに』というイメージかな...と思っています。和の心というか、日本人が(心や力を)合わせてやっていこうっていう...。本当に素晴らしいなと思います」
と、選定委員としての感想を語った。
「ステートメント動画」には大坂なおみを起用
同モットーを説明する「ステートメント動画」には、女子プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が登場。新国立競技場の前や中で、各国の人々とコミュニケーションしていく様子が流された。大坂選手の起用に関して、組織委は「日本人でありながら、海外で活躍しているところで選んだ。また大坂選手の生い立ちも、今大会のモットーに合っていた」ということだ。
また東京スカイツリーでは2月17日、「特別ライティング」を行い、同18日~3月25日の期間は「レーザーマッピング」を行う(東京スカイツリーの別イベント時などは除く)。17日は「青、黄、黒、緑、赤」のオリンピックシンボルカラーと「赤、青、緑」のパラリンピックシンボルカラーを60分ごとに変えてライティング。以降の期間は、展望デッキにモットーを表示する予定となっている。
(J-CASTニュース編集部 山田大介)