ボクシングのWBC世界ヘビー級タイトル戦が2020年2月22日(日本時間23日)に米ラスベガスで行われる。WBC王者デオンテイ・ワイルダー(34)=米国=と元3団体統一王者タイソン・フューリー(31)=英国=が拳を交える。無敗同士による「世紀の再戦」に世界中が注目するなか、元ヘビー級3団体統一王者マイク・タイソン氏が、フューリーの勝利を希望した。
「彼は見た目やテレビでみるよりもずっといいやつなんだ」
2018年12月以来となる再戦は、2020年度最初のメガファイトとして世界中から注目を集めている。18年の初戦は、三者三様のドローの痛み分け。ワイルダーが9回と12回にダウンを奪いながらも、序盤から中盤を制したフューリーのファイトが評価され採点が割れた。採点は115-111(ワイルダー)、114-112(フューリー)、113-113の1-1。今回、両者完全決着を目指してのリングとなる。
王座を保持するワイルダーは43戦42勝(41KO)1分と、ほぼ完ぺきなレコードを誇り、一方のフューリーも無敗をキープしており29勝(20KO)1分を誇る。パワーならばワイルダー、ボクシング技術ならばフューリーとの見方が一般的で、海外メディアの勝負予想は割れており、米国メディアはワイルダー、英国メディアはフューリーの勝利を予想するものが多く見られる。
このような中、元ヘビー級3団体統一王者マイク・タイソン氏はフューリーの勝利を「支持」している。海外専門サイト「ボクシング・シーン」によると、タイソン氏がワイルダーとの初戦からフューリーの勝利を願っていたと伝えている。記事の中でタイソン氏は「彼は見た目やテレビでみるよりもずっといいやつなんだ。確かなファイターだと思う」と語っている。
「彼は俺にちなんだ名前を付けているから応援している」
同記事では、タイソン氏がフューリーをひいきにしている理由に言及。フューリーの父がタイソン氏にちなんで息子にタイソン・フューリーと名付けたことを理由に挙げ「彼は俺にちなんだ名前を付けているから応援している。それは自然なことだよな」と話している。
また、初戦で2度のダウンを喫しながらもドローに持ち込んだことに触れ、「(ダウンした12回は)試合が終わったと思ったが立ち上がった。彼がタフであることを周囲に示した。まるでロッキーみたいだったよ。素晴らしかったし、あれでファンになったよ」と感想を語った。
一方で、ワイルダーがタイソン氏に対して挑発的な言動を見せたことに関しては「大人の対応」を見せた。ワイルダーは自身の最強ぶりをアピールするため、タイソン氏を引き合いに出し、「俺が1986年のタイソンと対戦すれば、タイソンを地獄に蹴り飛ばすぜ。俺は本気で言っている。俺はどの時代でもナンバーワンだ」と豪語した。
これに対してタイソン氏は「俺はワイルダーのことが好きだ。(俺と)試合をしたとしたらどうなるかは分からない。ただ彼がそのような話をしてくれていることはうれしい。もし俺が彼ならそう思うから。彼は世界チャンピオンなのだから、そう思うのは当然。スペシャルな存在なのだから」と語った。