シベリアに眠る父の埋葬地は、ゴミ捨て場と化していた【71年目の死亡通知】(上)

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ゴミ捨て場と化した埋葬地

   厚生労働省から送られてきた父親の「死亡通知」には、「埋葬地はプリモルスク地方(沿海地方)の第4865特別軍病院・第1墓地」とあるだけで、それがどこにあるのかは記されていなかった。

   厚労省に問い合わせると、いきなり「北緯43°52′04. 66″、東経131°50′44.93″あたりです」と、位置情報を告げられた。一瞬、冗談を言っているのかと思ったが、実際に所番地などはないのだという。

   いくらなんでも位置情報だけで、外国の埋葬地を突き止めるのは難しい。厚労省の慰霊巡拝に参加しようとしたが、15人の定員はすでに満杯と断られてしまった。

   そこで、インターネットで探したところ、幸運にも埋葬地に近いウスリースク市でロシア人と結婚し、ガイドをしている優子さんという日本人女性が見つかり、快く協力を申し出てくれた。

   位置情報を伝えると、間もなく「ウスリースク市郊外のノヴォニコリスク村にある墓地に間違いない」とメールが入った。早速、老夫婦だけで墓参に出かけたのだが、現地を見て言葉を失った。

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