「世紀の番狂わせ」から30年 タイソンを倒した男、ダグラスの栄光と苦闘とは

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「先生は優しく、寛大でリアルだ」

   現役復帰するまでの6年間はまさに「苦闘」だった。タイソン戦の訴訟問題などで精神的に深刻なダメージを負い、うつ病を発症。これに加えアルコール依存症となり、糖尿病を併発。一時は生死をさまようほど病状が悪化した。ダグラスは当時を「人生に無関心だった」と振り返る。死の淵に立たされたダグラスは再びグローブを握ることを決意。ダグラスの第二のボクサー人生が始まった。

   復帰後6連勝を飾り、1998年6月にマイナー団体のIBAヘビー級王座決定戦に出場。マイナータイトルながら8年ぶりに世界の舞台に立った。結果は初回KO負けだった。その後、ノンタイトル戦をこなし、1999年2月の試合を最後に現役引退した。生涯戦績、46試合38勝(25KO)6敗1分1ノーコンテスト。

   30年前、「東京ドームの奇跡」を演出し、つかの間の「栄光」をつかんだ男のその後は、苦しみとの戦いだった。そして今、ようやく人生をポジティブに歩けるようになったというダグラス。彼の教え子は言う。「先生は優しく、寛大でリアルだ」と。子供たちの目に映るダグラスは、決してまぐれでタイソンに勝った男ではなく「リアル・チャンピオン」なのだ。

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