杉尾氏「これは本当にテレビ報道全体の深刻な問題だと思う」
今回杉尾氏があいさつした集会は新聞労連や民放労連でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(MIC)が主催。「報道ステーション」の派遣ディレクター10数人が20年3月末で契約打ち切りを通告された問題がテーマで、TBS出身の杉尾氏は
「テレビ報道で働くすべての人にとって、旧ニュースステーション、報道ステーションと言うのは、特別な番組。新たなテレビ報道の地平を開いたと言ってもいいと思う」
などと、かつてのライバル局の番組をたたえた上で、
「テレビ朝日さんはかつて椿問題(以下参照)があり、ある意味政権のターゲットになってきた」
「ここでテレビ朝日の報道ステーションが、番組の性格が変わってしまったら、残るターゲットはTBSしかなくなる。TBSはまだ頑張っていると思うが、今度はTBSに政権の攻撃が来る」
「これは本当にテレビ報道全体の深刻な問題だと思う」
などと訴えた。
※椿問題
テレビ朝日の椿貞良取締役報道局長(当時)が1993年の民放連の会合で「今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」などと発言したとする議事録が問題になり、衆院から証人喚問された。椿氏は取締役と報道局長を解任され、テレビ朝日は郵政省(当時)から厳重注意する旨の行政指導を受けた。放送倫理・番組向上機構(BPO)が発足するきっかけになった。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)