河野氏の「雨男」は速報で紹介
この時点では特にあいさつを問題視する声は上がらなかった。ただ、2月13日の夜には、新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて死亡したことが発表され、杉尾氏のあいさつは動画とともに拡散。あるツイートに掲載された動画は14日夕までに20万回以上再生されるなど広がりを見せ、14日未明にかけて批判の声が加速した。複数の「まとめサイト」もこの展開をあおった。
批判のひとつが、与党の議員が批判されたこととのダブルスタンダードを指摘する声だ。代表例が河野氏の発言。河野氏は19年10月28日、
「私は雨男と言われた。私が防衛大臣になってから既に台風が三つ」
などと発言し、この日の「報道ステーション」(テレビ朝日)は「速報」で紹介。相次ぐ台風で大きな被害が出る中での発言で、富川悠太アナは
「雨で多くの方が亡くなっているわけですから、その雨をどんな理由であれ、笑いにかえるのは、間違っていると思います」
などと批判した。河野氏は10月29日の参院外交防衛委員会で「不快な思いをされた皆様にお詫び申し上げたい」と陳謝する一方で、被災地でもある千葉市の熊谷俊人市長は同日、
「被災地の首長として全く気になりません」
「いい加減、報道機関は『問題視される可能性もある』等の世論誘導的な文末の悪癖を直した方が良いと思います」
とツイートし、発言を問題視すること自体を問題視する声も出ていた。
杉尾氏の事務所は今回のあいさつについて、現時点でも「問題ないと思っております」と回答。体調については「今はもう回復しております」とした。