歌手の槇原敬之容疑者(覚せい剤取締法違反の疑いなどで逮捕)は、前回の逮捕・有罪判決後に復帰した後、自身に起きた逮捕前からの変化について複数のメディアに語っていた。
中には逮捕後の留置場での出来事として、ある若者から言われた言葉に衝撃を受けた様子に関する発言もあった。
「これからは槇原さんの歌聞きますよ」
槇原容疑者は2020年2月13日、警視庁に逮捕された。容疑は覚せい剤取締法違反(所持)などで、1999年に逮捕された際も同違反容疑だった。2000年秋に活動を再開し、その後にSMAP(16年解散)に提供した「世界に一つだけの花」(アルバム版は02年、シングル版は03年)が大ヒットするなどした。
この大ヒットにつながる経験を当人が複数のメディアに語っている。朝日新聞の連載記事「そこから」の第1回(11年1月1日付朝刊)によると、1999年の逮捕後の留置場で知り合った年下の若者に、若くして大成功した人物なので、自分のような者の気持ちは分からないと思っていたが、「これからは槇原さんの歌聞きますよ」と言われ、「殴られた感じ」がするほどショックを受けた。と同時に、「心が床に打ち付けられ、反動ではね上がったような気分」になるほど力がわいてきて、また「誰かの役に立つ音楽」に取り組む気持ちになった。そして復帰後は、以前のような「ラブソング」ではなく「ライフソング」にのめり込み、「世界に一つだけの花」につながったという。
また、日経新聞の人もの記事(2010年1月4日付夕刊)では、復帰後に「生き方を見つめ直すような作品」が続き、レコード会社から「また売れるラブソングを書いてよ」と言われ、心細さも感じていたが、「ある人から『今やめたら後悔するよ』と励まされた」とのエピソードが紹介されており、やはり「世界に一つだけの花」の成功へとつながったとしている。