新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が相次ぎ確認され、横浜市内の港で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に、日本の企業から無償で飲食物が提供されたことが分かった。
ヤクルトや崎陽軒のシウマイ弁当、日清のカップヌードルで、乗客らからは、ツイッター上などで感謝の声が次々に寄せられている。
「食欲が無いのでヤクルトは助かりました」
「食欲が無いのでヤクルトは助かりました」。クルーズ船に乗船している「だぁ」さん(@daxa_tw)は2020年2月12日昼過ぎ、ツイッターでこうつぶやいた。
この日の朝食の写真も投稿しており、それを見ると、パンやソーセージなどのほかに、ヤクルト400LTが客室内とみられるテーブルの上にあった。400LTとは、カロリー30%カットで甘さ控えめのライトタイプだ。約3700人の乗客らには、年配の人も多いことに配慮したらしい。
ツイッターでは、このほかに、低カロリーでアレルギーフリーのスポーツドリンク「クイックチャージ」も配られたと乗客らから報告があった。いずれも、ヤクルト本社からの差し入れだったとの情報が流れている。
また、「だぁ」さんは12日、「崎陽軒さんからシウマイ弁当3800人分が船内に運ばれた」と明かした。この提供についても、「個人的にもこれは嬉しい。ありがとうございます」と感謝の意を示した。
さらに、乗客からは12日、カップヌードルも差し入れではないかとの情報も流れ、その写真も投稿されている。
船内で配られたヤクルト400LTなどについて、ヤクルト本社の広報室は、J-CASTニュースの取材にこう説明した。
「少しでも乗客などの方々の気分転換になれば」
「少しでも乗客などの方々の気分転換になればと思い、クルーズ船の運航会社に無償提供を申し出ました。ヤクルト400LTなどは、数日分を用意しました」
ケースに入れて、ヤクルト400LTは3万4300本、クイックチャージは1万80本を2月9日に運んだそうだ。いつ乗客に提供するかなどは、船に一任しているという。今後については、未定だとしている。
崎陽軒の広報・マーケティング部は、一番ポピュラーなシウマイ弁当計4000食を12日に寄付したと取材に明らかにした。これは、医療支援などをしている自衛隊向けの200食を含んでいるという。
「船内で不自由な生活をしている乗客や頑張っている乗組員の方々を励まそうと考え、無償提供させていただいています。食品企業ですので、震災などの災害時に支援させていただいており、今回も何かできることはないかと社内で協議しました。今後については、未定です」
日清食品ホールディングスの広報部は、カップヌードルのオリジナルタイプとシーフード、どん兵衛のきつねうどん、カップライスのカレーメシの計4000食強を12日夕に無償提供したと取材に答えた。数量については、船と話し合いをして決めたそうだ。
9日ぐらいから、お問い合わせフォームで支援を呼びかける声が届き、10日から社内で検討していたという。今後は未定で、状況を見て判断したいとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)