「エアロゾル感染」「空気感染」違いはあるの? 新型コロナめぐり混乱、専門家の見解

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「飛沫感染」と「飛沫核感染」は異なる

「エアロゾルというのはいわば霧状に浮遊する粒子のことです。私としては『エアロゾルを介した感染』という表現をしています。一般に『エアロゾル感染』と言われる場合、エアロゾルと一緒に『飛沫』がとんで感染したかもしれないし、『飛沫核』がとんで感染したかもしれない。どちらの場合でも使えることになります。

『飛沫感染』と『飛沫核感染』の2つの言葉の意味については、ほとんど異論を唱える人がいません。『飛沫感染』は、『飛沫』つまり痰や咳といった体から分泌されるものによって、核が覆われた状態でウイルスが飛び、感染することです。感染する距離はせいぜい半径2メートルです。飛沫感染するウイルスは、覆っている飛沫がなくなり、裸になったら活動できなくなります。

これに対して『飛沫核感染』は、ウイルスを覆っている痰や咳といった飛沫がなくなり、裸になった『飛沫核』でも活動できるウイルスによる感染です。こちらは慣用的に『空気感染』といわれます」(勝田氏)

   上海当局の発表を受けて、新型コロナウイルスの感染予防方法は変わるのか。勝田氏は「今行われている『飛沫感染』の対策を徹底することでしょう」とし、「あくまで私の推測ですが」と前置きしたうえで次のように見解を示す。

「理由としては、中国国外で(上海当局の発表と)同様の経路による感染が起きていないということがあげられます。今回の上海当局の発表は、中国の環境下であるから起きている感染なのではないか、というのが私の推測です。

今回の発表からは、2003年SARS流行中に発生した事象を想起させられました。中国の老朽化した集合住宅でトイレ配管の損傷部からウイルスが漏れ出し、同じ向きの部屋に居住する住民が集団感染する事象が発生し、すわ空気感染かと不安がかきたてられました。しかし、その後、同様の集団感染は発生していません。今回も中国の集団住宅で同様事象が発生したのではないか、と考えています」
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