新型コロナウイルスによる肺炎の蔓延が続く中、感染経路として「エアロゾル感染」する可能性があることが報じられた。インターネット上では、この「エアロゾル感染」がいわゆる「空気感染」と同じ意味なのか、違う意味なのかをめぐって混乱が生じている。ワイドショー番組でも、両者は同じと伝えるものもあれば、違うと伝えるものもある。
専門家はJ-CASTニュースの取材に「『エアロゾル感染』という言葉は、学会などで正式に定義されたものではありません」と説明。予防方法については、引き続き手洗いなどの「飛沫感染対策を徹底することが肝要です」としている。
ワイドショーでも「エアロゾル感染」の扱い割れる
英BBC中国語版は2020年2月8日、中国・上海市民政局が新型コロナウイルスの感染経路について、衛生防疫専門家の意見として、これまでの飛沫感染、接触感染に加え、新たに「エアロゾル感染」も含まれることを確認したと報道。中央日報日本語版も9日、同様の発表内容を報じている。
10日にはワイドショーでも取り上げられたが、「エアロゾル感染」の扱いが若干異なる。たとえば「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)は、「(エアロゾル感染は)飛沫が空気中で混ざり合って感染するということで、空気感染ではない」という厚生労働省のコメントを紹介。「スッキリ」(日本テレビ系)では専門医を招いて解説し、図解で「(ウイルスを包んだ)水分が蒸発しウイルスが空気中を漂う→空気感染と同じ」と説明した。
ネット上でも「エアロゾル感染と空気感染は違います!」「コロナウイルス、空気感染(エアロゾル感染)確認だとさ」「まぁ空気感染もエアロゾル感染ってことなのか?よくわからん」と錯綜している。
「エアロゾル感染」について、どのように受け止めればいいのか。関西福祉大学教授で医学博士、また元外務省医務官として海外医療に携わってきた勝田吉彰氏は10日、J-CASTニュースの取材に「『エアロゾル感染』という言葉は、学会などで正式に定義されたものではありません」と話す。