新型コロナウイルスの集団感染が確認され、横浜市内の港で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、日本で調達された食材を使った食事が乗客らにふるまわれている。
乗客らからは、給食のようだとの声も当初はあったと報じられた。しかし、ここに来て、食事を高く評価する声も外国人客らのツイートで相次ぐようになっている。
「トランプの助けはいらない」
タイ風ビーフサラダとみられる皿やスープ風料理などのほか、ケーキとみられるデザートもある。
クルーズ船で過ごしているというShannonさんは2020年2月8日、部屋に運ばれたこんな夕食を英文のツイッターで披露した。そのボリュームから、家族3人分を含んでいるらしい。
ダイヤモンド・プリンセスは、米国の船会社「プリンセス・クルーズ」が保有する英国籍の船だ。Shannonさんは、食事などの内容に感動したようで、日本語での激励にも反応し、「船は、我々のためにいい仕事をしてくれている」と感謝の意を示した。
「トランプの助けはいらないよ」。そのサービスに満足してか、米大統領がわざわざ動き出さなくても大丈夫だとツイートしていた。
ツイッター上では、外国人客らからも、ハッシュタグ「#DiamondPrincess」などを使って、船内の様子が次々に実況中継されている。
別の外国人とみられる人は7日、フードサービスがステップアップしているなどと英文でツイートし、船から離れがたくなった思いを明かした。初めて食べたという日本のアロエヨーグルトも悪くないと評価していた。
クルーズ船では、2月5日に部屋から出られなくなったため、ビュッフェなどの食事から部屋への配給に変わっている。さらに、翌6日からは、乗客の要望などを受けて、メイン料理を3種類から選べるようになった。
「日本で食材を手配して、船内で調理しています」
それだけに、ツイッター上では、船の配給システムが劇的に改善されていると明かす外国人客らもいた。
こうしたツイートは、大きな反響を呼び、英文でも多くのコメントが寄せられている。
クルーズ船の長期停泊が決まった当初は、乗客ら約3700人からは、薬もなく会話もできないと不満が相次いだと報じられた。配給制になった食事については、「給食のようだ」と嘆く人もいたという。半数以上が外国人客だといい、異国での慣れない生活にストレスを訴える人もいると伝えられている。
そんな中で、食事などのサービスを高く評価する外国人客らが続出したことに、ネット掲示板などでは、「飯って大事なんだ」「見た目は豪華に見えないけど美味しいのかな」といった声が上がっていた。
プリンセス・クルーズの日本オフィス「カーニバル・ジャパン」は2月10日、船内の食事について、J-CASTニュースの取材に次のように説明した。
「クルーズ船が日本で食材を手配して、船内で調理しています。毎日メニューを変えていると聞いています。どこで仕入れているかなど詳しい情報は、船が主導して行っていますので、こちらではつかんでいないです」
今回のクルーズ代は全額返金するとしたうえで、停泊後の食事についても、乗客の費用負担はないと説明した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)