取り上げたテレビ東京はどう考えるか。
番組は現在も、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で視聴できる。ただ、一部場面がカットされて配信されていた。例えば、GCG使用後の「信じられないくらいの老廃物が出ちゃいました」とのナレーションや、出演者の「摂取してたんだ、体に重金属を」とのセリフだ。退店時の「衝撃の足湯デトックスができる整体サロン」とのテロップは、「〇〇先生がいる整体サロン」(伏せ字は編集部)にトーンダウンしている。
テレビ東京の広報部に、(1)GCGを紹介した経緯(2)Paraviでの編集の意図(3)謝罪や訂正の予定はあるか――などを問うと、「放送では、一部誤解を招きかねない表現があったため、あらためて検討した上で、放送後の対応を致しました」と答えるにとどめた。
前述の山本氏は、今回の事例で、メディアの「頼りなさ」があらためて浮き彫りになったとみる。
「今回の件に限らず『科学』に関して、基本的にメディアは『珍しいもの』『新しいもの』をよく取り上げる傾向にあると思います。また、『これまでの常識(科学的知見)を覆す』といった大発見を強調することも多いようです。しかし、科学の知見は仮説と検証の繰り返しによって積み上げられ、蓄積されてきたものです。そのため、従来知られている知見から著しく外れた主張が『科学的』としてなされる場合、それだけで注意が必要だということをメディア側も理解する必要があります」
一方で、山本氏は「デトックスに限らず、反ワクチン論、水素水など疑似科学的言説についてメディアの罪は大きいと考えますが、現在はネットやSNSを中心にそうした言説に対する『監視の目』も醸成されつつあり、潮目は変わりつつあるのではないか」と注目する。
(J-CASTニュース編集部 谷本陵)