「適任型」の江頭さんと「迷走型」のローラさん
また、すでにベテランお笑い芸人である江頭さんだが、YouTuberという売り出し方は、本人にとってこの上なくフィットしており、「適任型」のデビューと言えるだろう。江頭さんといえば、時に、過激すぎる立ち居振る舞いが持ち味のお笑い芸人であり、場合によってはテレビでは放送できないレベルの内容になってしまうこともあった。
事実、「笑っていいとも」(フジテレビ系=放送終了)の2001年の放送では、出演者の橋田寿賀子さんにキスをしてしまい、その後、同番組を13年にわたって出入り禁止になってしまったほどだ(復帰は2014年の放送で)。しかし、YouTubeでは、テレビでは出来ないとされている過激なパフォーマンスが続々と行われているのが実情であり、江頭さんが実力を遺憾なく発揮できる場所と言えるからだ。正に、時代が江頭さんに追い付いたと言えるだろう。
一方のローラさんは一時期、テレビへの出演が途絶えた時期があったが、2020年1月13日に「深イイ話2時間SP」に出演したのを皮切りに、「モニタリング」「BACK TO SCHOOL」と、立て続けにテレビ出演を果たしているが、YouTuberデビューを果たしたのは8日。チャンネルでは本人が得意とするトークがメインのゆるい雰囲気が楽しめる動画がアップされており、本人のカラーを生かした動画づくりがなされているのが分かる。
ただ、これらの要素はローラさんがテレビ出演を頻繁に行ってきた時にすでに発揮してきた能力であり、せっかくテレビ出演が増え始めた時期に同時にYouTubeで行うというのは、YouTuberデビューの趣旨がややぼやけていると言えるだろう。このため、ネット上には「ローラが迷走しているのではないか」といった声も上がっているほどであり、それを金下ると「迷走型」のデビューとも言えるだろう。