SKE48の松井珠理奈さん(22)が2020年2月7日夜に名古屋市内のSKE48劇場で行われた公演で、グループから離れて「卒業」することを発表した。
松井さんは現役で活動を続けてきた唯一の1期生。卒業発表後の動画配信サービス「SHOWROOM」の配信では、「めちゃめちゃ前向き」と繰り返す一方で、SKE48について「本当に新しくなるためには自分がいない方がいいんじゃないかと、すごく思った」とも話した。自らの卒業でグループの活性化を図る狙いもあるようだ。
デビュー直後に「大声ダイヤモンド」で大抜擢
松井さんは08年にSKE48の1期生としてデビュー。直後にAKB48のシングル「大声ダイヤモンド」に前田敦子さん(28)=12年卒業=とともにダブルセンターに抜擢。SKE48では松井玲奈さん(28=15年卒業)とともに「W松井」「JRコンビ」としてグループの顔として活躍した。18年に6月に行われたAKB48グループの「選抜総選挙」では初めて1位に選ばれたが、7~9月にかけて体調不良で休養。19年9~11月にも休養した。復帰後もSKE48の新曲「ソーユートコあるよね?」(20年1月15日発売)やAKB48の新曲(タイトル未定、同3月18日発売)の表題曲のメンバーから外れ、19年1月に行われたSKE48のコンサートでは他のメンバーよりも出番を減らすなど、グループとしての活動をセーブしていた。
松井さんはSHOWROOM配信で、卒業を決めた理由を
「徐々に会社も変わって、新しくなっているわけですよ。なおちゃん(古畑奈和(なお)さん=23)がセンターやったり須田ちゃん(須田亜香里さん=28)がセンターやったり、やっぱり最近新しいSKEをどんどん見せてきているから、本当に新しくなるためには自分がいない方がいいんじゃないかと、すごく思った」
などと話した上で、後輩にエールを送った。
「本当に丸っきり生まれ変わって、SKE第何章かもう分からないけど、やってほしいなというのはすごく思った」
卒コン「フライング報道」に「げーっ!」
今後は歌手活動を含めて、幅広く活動していきたい考えだ。
「本当にいろんなことをやりたいから、『これ一本』というのは今はあんまりないんだけど、歌って踊っているところをみるというのが好きな人が多いから、それは続けていきたい」
「握手会とかもなくなると寂しい。そういう近くで会えるイベントはやったりしたいと思っている。だから『女優でいきます。だからファンイベントとかはしません』とかそういうのはない」
一方で、不満も漏れた。松井さんは配信冒頭、卒業コンサートを9月26、27日に日本ガイシホール(名古屋市南区)で行い、10月5日に行われるSKE48の12周年特別記念公演が松井さんにとっての卒業公演になることを発表した。この直後に松井さんが口にしたのが、松井さんが発表する前に卒業コンサートについて報じられたことへの苦言だ。
「でもこれ、なんか日刊スポーツの人が、もう書いてたらしいんですよね。なんか前回も、そういうこと、前もあったんですよ。あるメンバーの卒業を先に日刊スポーツが書いたことがあって、それで『げーっ!』ってなってて、なんか今も私『げーっ!』ってなってて、『何だよ、その力は』という感じなんですけど...」
松井さんが配信を始めたのは21時30分過ぎ。21時前には日刊スポーツではなくスポーツニッポンが、卒業コンサートが日本ガイシホールで予定されていることを報じていた。さらに松井さんは、大矢真那(まさな)さん(29=17年)や宮澤佐江さん(29=16年卒業)の卒業コンサートが同ホールで行われたことに触れながら、
「欲を言えばナゴヤドームとかでもう1回やりたかったけど(編注:18年の選抜総選挙や14年のSKE48のコンサートの会場はナゴヤドームだった)、でも、卒業と言うと思い出の場所でやりたいなと思ったから、ガイシでできるのはすごくうれしい」
とも話した。
「なんかやっぱさ、記者とかに追われるの嫌だからさ。嫌なのね」
松井さんは卒業後について、「自分が売れたいというよりは誰かを輝かせたりしたい」として
「秋元先生も、もういい年だから、第2の秋元康って呼ばれるぐらいの人になってみたい。いつか。本当に『いつか』」
などとして歌手のプロデュースにも意欲を見せた。直後には
「なんかやっぱさ、記者とかに追われるの嫌だからさ。嫌なのね。だから、いつかは普通になりたいわけ」
とも。メディアに取材されることのない裏方として活動したいという思いもあったようだ。
多くのSKE48メンバーが卒業を惜しむツイートをするなか、須田さんも「残るものとしては不安じゃないわけないよ」。一方で、自分より5歳半も若い松井さんの前途を祝った。
「でも、誰より努力をして期待とプレッシャーを背負ってきた彼女をずっと近くで見て追いかけてたからこそ、もっともっと幸せでいてほしいのが一番です。まだ22歳。松井珠理奈の人生の可能性は計り知れないね」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)