「コロナウイルスでパニック」→本当は「春節を祝うために地元へ戻ったときの様子」
現時点で、IFCNは約300件の検証記事をデータベース化して共有している。こういった海外の事例も翻訳して紹介している。例えばインドネシアでは「コロナウイルスでパニックになる中国人の動画」だとされるものが拡散したが、ニュースサイト「テンポ」のファクトチェック記事では「このビデオは広東省で働いている玉林市の住民が、春節を祝うために地元へ戻ったときの様子である」と指摘。「コロナウイルスでパニック」だというのは「誤り」だと結論付けている。
FIJの楊井人文(やない・ひとふみ)事務局長は、サイト開設の狙いを
「新型コロナウイルスに関しては未知のことが多く、海外の真偽不明情報が日本語にネット上で広がったり、過度な不安や恐怖感から差別も起こりやすい状況が生まれている」
「現時点で、どのような誤情報が確認されたか、どこまで情報が検証され、まだされていないのかを一目で確認できるサイトがあれば便利と考えた」
などと説明する。そこで、「疑義言説」と呼ばれる未検証の情報も「あやしい情報 要注意リスト」と、分かりやすい表現に改めて紹介している。「新型コロナウイルスはエイズ薬が効く」「コロナウィルスは次亜塩素酸水を吹き付けると10秒で死滅する」といった内容で、検証に役立つ情報を募っている。