ビットコインが「安全資産」になる日は来るのか 新型コロナで問われる立ち位置

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「半減期」は影響するか

   例えば、政情不安を背景にハイパーインフレに悩まされるベネズエラ。同国では昨年末、法定通貨ボリバル建てのビットコイン取引量が2480億ボリバル(約6億円)となり、過去最高を塗り替えた。似たような傾向が他の新興国にも現れ、2019年12月にP2P(ピアツーピア)型の仮想通貨取引所ローカルビットコイン上で、南米アルゼンチンのビットコイン出来高が2週連続で過去最大規模の取引量を記録。同国政府による米ドルの購入制限を受けた反動とされ、不安定な自国経済の影響がビットコインの需要増へとつながっている。

   だが、新興国で経済変動とビットコインの価格上昇に関連があったからと言って、ビットコインが安全資産であるとするはやはり、まだ早い。新興国、先進国問わず、あらゆる状況下でも、一貫した価値発揮が不可欠だろう。それでも、5月に半減期(採掘報酬が半減する時期)が訪れる2020年のビットコインは、インフレ率が現在の年率3.7~3.8%から同1.8%に減少するものの、供給量が減り、価値保存手段としての機能が高まるという有識者の主張がある。すなわち、採掘量減少に伴う希少価値の向上で、より金のような存在(安全資産)に近づく可能性があるのだ。

   半減期まで残すところ約3カ月。ビットコインの価格がチャート上で、安定した動きを見せるか目が離せなそうだ。

(ライター 小村海)

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