3人組のアイドルユニット「ワンアポ」で、プロデューサーがメンバーとしてステージに出演する異例の事態が発生している。突然解雇となった1人のメンバーの代打として、プロデューサーが「プレイングプロデューサー」としてステージに立っているそうだ。
文字通り身体を張ってメンバーの代役を務めている理由を、当のプロデューサー兼メンバーの「まり」さんに取材した。
プロデューサー「代打」のきっかけは
ワンアポは紫葉さくらさん、結城りささん、峯宇きらきさんの3人ユニットで19年4月23日にデビューしていたが、20年1月25日にツイッターでの「お知らせ」で、峯宇きらきさんが所属事務所のルールに違反する行為で1月22日付で解雇処分になったと発表した。
2人になったワンアポだが、27日にプロデューサーの「まり(ちゃん)P」さん(以下、まりさん)が「体制が整うまで、プレイングプロデューサーとしてステージに立つと決意させて頂きました」とツイッターを通じて発表した。翌28日のイベントで早くもステージに立っていたという。すでに公式サイトのメンバー一覧も差し替えられている。
プロデューサーの身でありながら急遽メンバーとの「兼任」に踏み切った理由などについて、J-CASTニュースが事務所へ質問メールを送ったところ、2月4日までにまりさん名義で回答が寄せられた。まりさんによれば、直接のきっかけは1人の解雇が決まった後で、運営会社(クロスアイデア)の社長から「まりちゃんがステージ立っちゃえば」と言われたことだった。もともとグループの楽曲の振付も担当しており、出演する上でスキル面での支障はなかった。「病気などでメンバー1人が欠けた時に代役で出る」という事態は想定したことがあったというが、
「最初は、『解雇したメンバーのファンの方から反感を買う』『わたしのビジュアルでステージに上がれる自信がない』など後ろ向きな気持ちでした。しかし、それ以上に、『穴が空いたパフォーマンスを見ている自分』という、ピンチをなんのものにもできない自分を想像すると、ここでなにか行動をするしかない、と思い、決断に至りました」
と、まりさんは当時の心境を語った。急遽の登板だったもののプロデューサーとして何度か現場に顔を出していたため、ファンの間で存在が知られていないわけでもなかった、といった事情も手伝って準備が進んだ。スタッフとしては「ほぼすっぴん」で仕事をしていたので、アイドルとのギャップで驚かせてみたい、という意気込みもあったそうだ。