人気トレーディングカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」のレアカードが東京・秋葉原のゲーム店から650万円で販売され、ネット上で話題になっている。
当初は、安い版のカードを客に渡していたことが分かり、店側が謝罪した。一体どんなカードなのだろうか。
アルファ版ではなく、ベータ版だった
MTGは、米国のWizards of the Coast LLC社が1993年に発売した世界初のトレーディングカードゲームだ。全世界で2000万人を超えるファンがいるといい、ギネス世界記録にも認定されている。
そのうち、初めて世に出たのが限定のアルファ版で、その絵柄から「Black Lotus(ブラックロータス)」と呼ばれている。次に発売された同じ絵柄のカードが、ベータ版だ。こちらも限定版で、希少価値があるとされる。
カードゲーム専門店「BIGMAGIC」の秋葉原店では2020年2月4日、このアルファ版を入荷したと公式ツイッターに写真を載せて告知した。
「超有名な高額カード!」だとして、価格を650万円に設定していた。
高価なレアカードだけに、ネット上で話題になり、1万件以上もリツイートされるほどに。すると、5日になって、このカードが売れたとツイートされ、その後、現金で購入したとする人物がツイッターに現れた。
ところが、この人物が投稿したカードの写真を見ると、ベータ版との表示が出ていた。角の丸みの違いからも、アルファ版ではなかった。ネット上で騒ぎになって、本人も気づき、店に交換してもらうと明かした。
「故意ではなく、本人も反省している」
そして、2月6日になって、店に交換対応してもらったとツイッターで報告した。
「BIGMAGIC」の秋葉原店も同日、「この度、当店で販売した商品に誤りがございました」と公式ツイッターで認め、客に迷惑と心配をかけたと謝罪した。
同店の店長は6日、J-CASTニュースの取材に対し、ベータ版を渡したことについて、こう説明した。
「見た目が似ており、スタッフがうっかり違う商品を渡してしまいました。故意ではなく、本人も反省しています。シリアルナンバーが違うのでごまかせませんが、本来はあってはならないことです。再発防止のため、商品の管理方法を見直し、スタッフには指導していきます」
店には、アルファ版1つのほか、ベータ版も1つあり、こちらは350万円で販売していた。
ベータ版の入荷はよくあるが、アルファ版は、ほぼ入荷がないという。全店でも十数年に1度ぐらいで、秋葉原店での入荷は初めてだとした。仕入れルートについては、答えられないとしている。
Wizards of the Coast LLCの日本事業部は6日、「この件については、Wizards社としては回答することはできないです」と取材に話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)