公明党からも反発が
立憲民主党の枝野幸男代表は1月31日、「感染症の拡大防止はあらゆることが現行法制でできる。憲法とは全く関係ない。悪乗りで、人命に関わる問題を憲法改正に悪用しようとする姿勢は許されない」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表も「悪乗りだ」と語った。
れいわ新選組の山本太郎代表は「コロナウイルスを利用して緊急事態は必要だという空気を醸成しようとしているやからたちがいる。なに火事場泥棒をやろうとしているんだって話だ」と批判した。
自民党と連立を組む公明党の斉藤鉄夫幹事長も「緊急事態条項の議論は国会議員の任期(延長)だけで、特別な権限を政府に付与することは抜きにして議論しようというのが各党のコンセンサスだ。それを越えた議論は冷静に、平時にするべきことではないか」と述べ、自民党とは一線を画している。
下村博文選対委員長は2月1日、「人権も大事だが、公共の福祉も大事だ。直接関係ないかもしれないが、(国会での)議論のきっかけにすべきではないか」との考えを示した。野党や公明党の反発に対しては「大規模災害などへの対応のため憲法に緊急事態条項を盛り込んだ場合でも、国家主義的な強権政治で圧政に向かうことはない」と強調した。
新型肺炎を契機とした「緊急事態条項」をめぐる改憲議論は、自民党と日本維新の会と、それ以外の党との温度差を改めて浮き彫りにしている。