「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の人気漫画『僕のヒーローアカデミア』に登場するある人物について、コミックス収録時からその名前を変更することを同誌編集部がサイト上で明らかにした。
編集部では、そのような意図はないと否定しているが、「過去の史実を想起させる」との指摘があったためだという。
「無関係の史実と作品を重ね合わせられることは本意ではない」
この漫画は、堀越耕平さんの作品で、テレビアニメ化などもされ、ヒロアカの愛称で親しまれている。2014年からジャンプで連載されており、無個性だった主人公が真のヒーローを目指して成長していく姿を描いている。
公式サイトで2020年2月3日に載った「お知らせ」によると、同日発売のジャンプに載った漫画のうち、総合病院の創設者などとして登場する「志賀丸太」について前出のような指摘があった。
これに対し、「命名にあたり、作者や編集部にはそのような意図はありません」と否定した。しかし、「無関係の史実と作品を重ね合わせられることは本意ではないため、作者と相談の上、コミックス収録時に当該人物の名前を変更することにいたしました」と説明した。
同日の連載では、「志賀丸太」について、「偽りを生きる男」と紹介された。「この病院には関係者も用途を知らない立入禁止の空間がある」とされ、作中に登場する「脳無」なる敵を密かに製造している人物であると描写されている。
ツイッター上などでは、名前のうち「丸太」について、海外からも疑問の声などが寄せられていた。米ニュースサイト「ASAP LAND」は、第2次世界大戦中の旧日本軍に存在したいわゆる「731部隊」が、人体実験の被験者を「マルタ(丸太)」と呼んでいたことを取り上げ、その関連から批判が起きていると報じている。
ただ、公式サイトでは、このこととの関係については、説明されていない。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)