予測不能の大振りフックが正統派を苦しめる
一方のカシメロといえば、左右に破壊力を秘めるものの大振りが目立つ。ただ、この大振りのフックが通常の軌道とは異なり、予測していない角度からパンチが飛んでくるため正統派ボクサーが苦しむ場面もみられる。テテとの一戦はこの典型ともいえるパターンで、カシメロのラフな大振りフックの目測を誤ったテテがモロにパンチを食らい、キャンバスに沈んだ。
カシメロはバンタム級に上げてからより破壊力を増し、現在5連続KO中である。過去の体重超過は、ライトフライ級(48.9キロリミット)時代のもので、3階級上のバンタム級(53.5キロリミット)での失態はないと思われるが、日本のボクシングファンにとってルイス・ネリ(メキシコ)の悪例があるだけに不安要素でもある。いずれにしてもリングの上で世界の「モンスター」に死角は見当たらない。