体重超過の「前科」も
2012年に再びライトフライ級に階級を下げてIBF世界ライトフライ級王座を獲得した。カシメロはこの王座を3度防衛したが、14年5月に行われた4度目の防衛戦で体重超過により王座をはく奪された。前日計量で約2.4キロオーバーしたカシメロは挑戦者マウリシオ・フェンテス(コロンビア)に1回KO勝利。失格したカシメロが勝利したことで王座は空位のままとなったが、なんとも後味の悪い結末となった。
体重超過の失態を犯したカシメロは階級を1つ上げてIBF世界フライ級王座を獲得。2017年9月にはスーパーフライ級に上げるも、IBF挑戦者決定戦に敗れ王座挑戦はならなかった。以降、階級をもうひとつ上げてバンタム級を主戦場とし、2019年4月にWBO世界バンタム級暫定王座を獲得。11月に正規王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)との王座統一戦で3回TKO勝利を収め王座統一に成功した。
井上が警戒するのは、カシメロの独特のボクシングスタイルだろう。比較対象となるドネアは豊富なアマチュアキャリアを誇る正統派で、基本に充実ないわゆる「きれいなボクシング」をする。試合中のクリンチはほとんどなく、パンチと同時に頭が飛び込んでくるようなラフさは一切ない。