厚労省サイト「有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法を行います」
こうした中、今回のタイ当局発表が注目され、日本の株式市場への影響に言及する報道も出た。ロイター(3日午前、日本語版)は「日本株、新型肺炎関連が売られる 治療巡る発表を嫌気」と報じた。新型肺炎の感染拡大で需要が増えるとの思惑で買われていた関連株について、「既存の治療薬で治りそうだ」との見方も出て、「利益確定売り」が出たとの分析を紹介していた。
タイ当局の発表内容の受け止め方などについて、J-CASTニュース編集部が3日、厚生労働省の担当部署に見解を確認しようとしたが、「国会対応などのため」、担当者はつかまらなかった。厚労省サイトでは、「新型コロナウイルスに関するQ&A」が「2日時点版」で更新されており(3日夕時点)、うち「どのような治療方法がありますか?」の質問に対しては、「有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法を行います」として、詳しくは国立感染症研究所サイト掲載のガイダンスを参照することを促していた。
同研究所も3日現在、新型コロナウイルス問題については「個別取材対応は行っていない」(受付担当者)そうで、研究所サイト掲載の「新型コロナウイルス感染症の現状と評価と国内のサーベイランス、医療体制整備について」(1月31日時点版)を見ると、「国内対応」の項目で、
「現時点では重症リスク要因が特定されていないことから、最重要で対応をすべきは、国内における肺炎など中等症以上の新型コロナウイルス感染症の探知である。また、特異的な治療に関する知見も乏しいことから、諸外国における治療に関する情報の収集と共に、国内でも知見を蓄積していく必要がある」
と、「諸外国における治療に関する情報の収集」の必要性に触れていた。