各国当局の模索が続く
また、ゼロレーティング対象コンテンツ選定基準を公開する▽利用者ごとにゼロレーティング対象コンテンツと非対象コンテンツそれぞれの通信料を計測して情報提供する▽望まない利用者が契約しないようサービス内容を詳細に説明することなどを要請。アプリやコンテンツを提供する大手IT企業に対しては、競合の中小事業者を締め出すような契約を携帯会社と結ばないよう求めるという。
総務省は、「一律禁止する」のではなく、あくまで指針として一定の基準を示すもので、事業者への監視を強めながら、問題が生じた場合は事後的に対応する方針だ。
諸外国でも、ゼロレーティングへの対応は手探りが続き、米国はオバマ政権時代の2015年、連邦通信委員会(FCC)が公平な扱いなどの規則を定めたが、17年のトランプ政権発足後にルールの大部分を廃止した。一方、インドでは16年、特定のアプリの優遇は市場に悪影響を与えるとしてゼロレーティングを禁止している。
GAFAに代表される大手IT企業が中小ライバル企業を巨額で買収して市場支配を強めていることが問題視される中、ゼロレーティングは、大手の寡占を促進しかねない要素も秘めるだけに、サービスの育成と規制のバランスをどうとるか、各国の当局の模索が続きそうだ。